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天性の「美味しい!状態に執着心」がある東京下町に棲息するおばさんのお料理・お菓子・道具・食材の他、散歩の記録を綴った日記です。by真凛馬


by mw17mw

西五反田「龍門」の麻婆麺

昨日は、池上線沿線の従妹の家に、叔父を見舞いに行って来た。
今までは、蒲田から池上線に乗っていたが、従妹の家には、五反田経由の方が10分早く100円安いことが判明。
では、五反田経由で行くとしてと、予め、食メル友のIさんに、五反田駅前ランチのお薦めを聞いていたのだが、(話は長くなるので、細かい話は端折るのだが)結局、I夫妻と、龍門で合流して、時間差はあったけれど、一緒にランチをいただいた。

龍門は、3年程前に、何だか高級そうな「日本人に媚びない本場の四川料理」を売りにしてオープンし、その頃、話題を呼んでいたお店で、B食なぞでお食事会が何回か催されていた記憶がある。
私も一度は行かなくてはと思っていたのだが、その後、五反田方面に中々行く機会がなくて、すっかり、その存在を忘れていた。

そうしたら、Iさん情報では、龍門は今までの桜田門通りを山の方に上った高級住宅地から、大崎広小路の方にお店を移しているから、五反田駅前ランチではなく、大崎広小路駅前ランチになってしまうけれど、池上線に乗る人には都合が良いだろうと推薦してくださったのだ。
(龍門は、五反田の山の上から下に移転しただけではなく、目黒駅前にもお店ができていた。また、HPを見ると、目黒店にしか、ランチメニューがないけれど、五反田でも、一年中ランチメニューがあるとのこと)

五反田方面、日曜日は、お休みの飲食店が多い他、営業しているお店でも、日曜日は、サービスランチをお休みするお店も多いとのこと、日曜日にもランチがある龍門は有難い。

山手線の五反田駅で降りて、西口で地図を見て、「ゆうちょ通り」を真っ直ぐ行くと、ゆうぽうとという施設があって、その隣が大崎広小路ということを確認して、歩き始める。
五反田と大崎広小路って、本当に近かった。

西五反田「龍門」の麻婆麺_d0063149_12384679.jpgでも、細かい地図を持って行くのを忘れたので、ちょっと迷ってしまった。
結局は、ゆうぽうとを通り過ぎたところに、龍門の看板があって、そこを左に曲がると、そのお店があった。

私は行ったことがないのだが、色々な訪問記事から感じていた移転前の龍門のイメージは、高級であったが、目の前に現れた龍門はとても庶民的な店構えであった。
(少数のお金持ち目当ての商売はやめて、山の上から下に降りてきて、庶民的に、方向転換をした感じ?)

看板には、「伝統四川料理 流行四川料理」と書いてある他、入り口には「本場四川料理」の文字が...。
中に入ると、既にI夫妻がいらして、ご一緒させていただいた。
Iさんとは、お会いするのは1年半振り、奥様とは初対面。
でも、Iさんのメールで、良く奥様が登場するので、また、奥様も私のことを聞いているので、初対面の感じはせずに、リラックスしてお話をすることができ、楽しい時間を過ごすことができた。

ランチメニューは、杏仁豆腐がついて、一律850円。
「牛肉麺」があったら、食べたいと思っていたのだけれど、なかったので、「麻婆麺」にしてみた。
麻婆麺なんて、絶対、本場中国にはなくて、日式中国料理に違いないと思ったのだけれど、何となく麺が食べたかったし、麻婆豆腐も食べたかったので、それに決めた。

西五反田「龍門」の麻婆麺_d0063149_12392921.jpg麺の丼の他、ご飯が一膳と杏仁豆腐が到着。
麺を食べ始めたのだが、辛い、辛い、でも、食べられる。
日本では、麻婆豆腐というと、豆板醤と豆豉と甜麺醤を使うけれど、「甜麺醤が全然入っていないのが、本場物の味なのだ」と思った。
全然甘さがない、辛味の強い味、塩味も十分感じるのだが、塩が角ばっていなくて、丸い味なので、食べられるのかなと思いながら、食べていた。
これで、塩の味が尖がっていて、舌を刺すようなタイプだったら、食べ続けられないだろうけれど、幸いにして、塩が丸くて、舌に残らないタイプだから、救われているような気がした。
多分、四川で使う塩をそのまま使っている?ということは、岩塩なのかなと思ったのだ。

(追記:在成都の方に、四川のお塩は、塩湖や塩井戸のお塩と教えていただいた。<岩塩ではないらしい>、湖の塩と海水塩がどう違うのかはよく分からない。塩そのものの味も関係するのかも知れないけれど、ヤマムロさんのページによると、四川の豆板醤の高級品は三年仕込みらしい。この熟成の期間によって、塩のアクみたいなものが抜けるのかも知れないと思う。2009.07.22)

麺をつるつる食べながら、汁も呑んだのだが、それが精いっぱい。
具であるお豆腐まで口に入れたら、辛過ぎて辛くなりそうで、自然と、汁と麺しか、口に入れなかった。
ラー油のようなオレンジ色の液体が表面に見える汁だったが、辛いことは辛いけれど「辛いものに関しては、特段強くも弱くもない私でも食べられる辛さ」であった。
何でだろう?と考えた時に、Iさんが「辣は入っているけれど、麻(痺れる)は余り入っていないかも」と教えてくれて、確かに、花椒は余り入っていないかもと思った。

麺を食べ終わると、丼には、沢山のお豆腐が残っていて、残すのも勿体ないので、レンゲで汁とともに、ご飯の上に乗せて食べた。(挽肉は殆ど入っていなかった)
これはこれで美味しい。
ご飯の甘さで麻婆豆腐の辛さが中和されるのか、美味しく食べられた。
(が、汚い話だが、食べながら、鼻水が出そうになるのを堪えていた。その程度の辛さ。
今まで、食べられないくらい辛い物も食べた経験はあるけれど、食べられる辛さの中で一番辛かった経験は、十年くらい前の「御茶ノ水エチオピアのカレー」で、このときは、食べ終わってから、帰り道、毛穴が開いて、涼しかった覚えがある、それに比べれば、龍門の辛さは弱いと思った。)

龍門の麻婆豆腐麺は、

麻婆豆腐の汁 + 麺 → 食べられる
麻婆豆腐 + ご飯 → 食べられる
麻婆豆腐の汁 + 麻婆豆腐 + 麺 → 辛過ぎて食べられない

そんな感じであった。
でも、とても美味しかったし、とても気に入った。

親戚に向かいながら、道々考えていたのだが、四川の塩を使っているから、塩が丸いのだと思っていたけれど、もしかして、豆板醤や豆豉が本場物で、そこに使われている塩も本場の岩塩だから、美味しいのかも知れないと頭に浮かんだ。

そうだ、日本製の豆豉や豆板醤を使ったら、きっと、発酵に使う塩は、精製塩か、海水塩になるのだろう。(例えば、浜納豆とか)
でも、四川で仕込んだものとなれば、あの大陸の内陸にあって、周囲に海がない四川では、自然と岩塩を使うことになるのだろうな、でも、その使う塩による味の差は大きい。

今の日本の麻婆豆腐のレシピは、陳建民さんが作ったものだろうけれど、甜麺醤を使うようにしたのは、日本でごく普通に料理に使う塩が、昔は精製塩だったり、今でも標準は海水塩だから、突き刺すような辛さを感じて、甜麺醤で、突き刺すような塩辛さを中和したのかもねと思う。
(日本製の豆板醤や豆豉と日本の塩を使って作る麻婆豆腐は、本場ものと同じ味になる筈はないと思った。)

や~、しかし、本場物の麻婆豆腐は、とても味が良くて気に入った。
龍門の料理は、食べ終わって30分くらいしても、舌が気持ち悪くならなかった。(化学調味料を使っているかも知れないが、使い過ぎではないと思う)

Iさんの話では、「陳麻〇〇」というチェーン店が、本場四川の麻婆豆腐の本家と同じ味で、龍門のより、痺れる感じとのこと。(一つしかないと思って、最後の方をはっきり記憶しなかった)
そこも食べてみたいと、家に帰ってから、検索したのだが、我が家の近所にもある「陳麻家」というチェーン店ではなくて、「陳麻婆豆腐」というチェーン店の方が、四川省成都市飲食公司と提携しているみたいだから、こちらかしら?と思った。
他に、御茶ノ水の川菜館にも行きたいと思っていたことを思い出した。

暑い夏に、甘さが全然ない、本場四川の麻婆豆腐は、美味しいと思う、お勧め。
Commented by ケイト at 2009-07-14 01:22 x
以前ランチタイムに行って1番辛い麺をくださいと言ったら
なかなか手強い麺が出てきました(笑)
辛い+油の膜で熱いのでさすがに私も早く食べるのは無理でしたね。もちろん食べきりましたが・・・

最近ほとんどの方のブログ(若い方もそうでない方も)で
「食べれる」「食べれる」を目にしては違和感を感じ続け過ぎて
神経が麻痺してしまった感があるのですが・・・
私はやっぱり未だにら抜き言葉は嫌いなので
「食べられる」を目にしてホッとしました。
まぁ、息子たちは絶対「食べれる」なんですけどね(汗)
Commented by mw17mw at 2009-07-14 08:58
>ケイトさん
「一番辛い麺をください」なんて、さすが~、FFの女王様!
(私も言ってみようかな~、やめておいた方がいいかな~)

「食べれる」は私も違和感ありますが、私がチェックする範囲では余り見かけないので、助かっています。
言葉って、時代によって変わるのですよね。
(女性が「うまい」というのも私としてはとても抵抗があります。勝手なもので、男性が「美味しい」と言っても抵抗がないところ、結局私の勝手なのですが)

息子さんたちは、社会人になったら、変わって行くかも知れませんよね。
Commented by bkkfox at 2009-07-14 09:05 x
甜麺醤・・・私は中国には行ったことがないのですが、どうもヨーロッパやアメリカのチャイナタウンでもなかなかナイのです。中国はどうなんでしょう?ちょっとしたスーパーにも置いてあるのはもしかしたら日本だけかも知れません。この件に関してはナゾです。

甜麺醤、嫌いではないのですが麻婆豆腐には無くてもおいしいそうですね。
日本橋は中華料理屋さんが増えているようですがなかなか行ってみたい店が少ないです。
西五反田・・・生まれた町ですが乗り換えでもない限りは行くことは稀です。でも、その麻婆食べてみたいですね。

「ら」抜き言葉の洪水私も苦手です。これも言葉の進化かと言われればそうかもしれないですけれど、やはり「食べられる」の方がしっくりきます。きれいな言葉使いありがとうございます。
Commented by mw17mw at 2009-07-14 09:24
>bkkfoxさん
へ~、そうなのですか?欧米のチャイナタウンで余り見かけないもの?
今、「甜麺醤」で引いたら、北京ダッグ、回鍋肉、麻婆豆腐と出て来まして、前の二つは「なくてはならない」と思います。
北京ダッグに使うということは、「中国の調味料」と簡単に定義されてしまいますが、元々は北京料理に使う調味料で、他の上海・広東・四川では使わないものかも知れませんね。

本場的麻婆豆腐は、他に御茶ノ水の川菜館とか、陳麻婆豆腐で食べられると思います。

「食べられる」という言葉も、昔の明治・大正・昭和初期の日本人が見たら、こちらの常識を疑われ、目をむいて怒られそうな話し言葉かも知れないとも思います。(きれいに丁寧に言うと「食べることができる」?)
う~ん、でも、昭和戦後生まれの私としては「食べられる」までが許容範囲ですね。
Commented by mw17mw at 2009-07-14 09:30
>bkkfoxさん
日本で言ったら、八丁味噌や赤だし味噌・浜納豆は、名古屋方面特有の調味料だけれど、全世界から言ったら、「日本の調味料」と定義されてしまうだろうことと、似ていますかね?
Commented by kaneon at 2009-07-14 13:54 x
私は残念ながら、辛いものがまるでだめで、赤坂の四川飯店でもマーボー豆腐はほとんど食べられませんでした。あそこのは山椒と胡椒がすごくきいていたような記憶がありますが。色も黒かったような。

私の会社で働いている中国人女性は、西安出身で、四川省の隣なので、四川ほどではないけどやはり辛いものを食べるようです。
上野にある西安料理の店に連れて行ってもらいましたが、
辛いものは避けたのですが、塩味自体がかなり強くて、
油も多く、日本食が健康的なのがよくわかる気がしました。
ただ珍しい小麦粉料理などもあり、米より小麦粉文化圏だと
いうことがよくわかっておもしろかったです。
Commented by mw17mw at 2009-07-14 16:37
>kanenonさん
「上野の西安料理のお店」ってどこでしょう?興味津々。
お薦めは何だろう?
行くか行かないかわからないけれど、教えていただけると有難いです。
Commented by kaneon at 2009-07-14 17:23 x
今 中国の女性が産休中で休みなので、ネットで調べましたら、
場所とお店の写真からいって、ここだと思います。

刀削麺荘 上野店
Commented by mw17mw at 2009-07-15 11:18
>kaneonさん
ご紹介有難う、チェーン店でも、西安出身の中国人が行くというのは、安心感があります。
鈴本の二階のようだし、わかりやすいのも良いかな。
本郷の「栄児」とともに、行ってみたいお店リストに載せます。
Commented by bkkfox at 2009-07-17 02:15 x
毎日暑過ぎです・・・

八丁味噌!確かにそうですね。アレも狭い範囲の物ですね、日本の中でも・・・私は好きな味なので、八丁と九州の麦味噌を足して使っていますがwどうも、関東の人の好きな信州味噌だとしょっぱ過ぎて・・・

本当に、中国の本場の中華を一遍食べてみたいです。
どこの国のチャイナタウンも中国の人が沢山いてそれなりに本場に近いんでしょうけれど、やはり本場に行って食べてみたいな・・・と思います。

「甜麺醤」タイで探した時は、本当にどこにも無くてでもバンコクに中華料理屋さんはけっこう沢山あって、麻婆豆腐とか普通にあって
みなさんどんな調味料を使っているのだろうか・・・となぞでした。

アメリカでもやっと探しあてた時 そこはテキサスのチャイニーズの方がやってるスーパーマーケットでした。
日本に居ると本当になんでも手に入るんだなーとしみじみ思いました。海外で無いもの探しをするといろんな事が想像出来てそれはそれで興味深かったのですが・・・でも食べたい物がナイ!というのは
なかなか辛いものでした。あぁ、日本に居ることは幸せです・・・食いしん坊からすればw
Commented by mw17mw at 2009-07-17 11:11
>bkkfoxさん
>毎日暑過ぎです・・・
本当に...今日はちょっとマシな気もしますが、蒸し蒸しがすごいです。
四川って、多分もっと蒸し蒸ししているのでしょうね、こういう気候の時は、龍門の甜麺醤の入っていない麻婆豆腐食べたくなります。

八丁味噌、手づくりのお味噌のお味噌汁にちょっと加えるとコクが出て重宝しています。
色々な国で甜麺醤探されているのですね~、何に使われるのだろう?麻婆豆腐?
私はドイツの中華料理屋で中華を食べたことありますが、「これが中華?」と思いましたし、神戸の南京町の中華も余りに薄味で、全然だめでした。(私にとってはですよ)
中華は世界中で食べることができるけれど、現地化も激しいのでしょうね、本当、本場に行って、「これぞ、本場」が食べてみたいですよね。(広州では食べたことがあり、とても美味しかったです)

タイの家庭では、タイ料理しか作らないのでしょうかね?
だから、業務用甜麺醤しかないっていう推理はいかがですか?(笑)
そうですね、日本の食生活で育った人にとって、日本で続けて食生活をすることは気付かないけれど、「幸せ」なのですよね、確実に。
Commented by bkkfox at 2009-07-17 21:02 x
楽しい試飲会は佳境でしょうか?

甜麺醤・・・あまりにも探しても無くて何作りたかったのかも薄れる記憶w
恐らく、回鍋肉辺りだろうと思われます。
南京町・・・あそこあまりおいしい店ナイような気がします。(個人的感想w)
子供の頃関西に居た時よく行った店は南京町ではありませんでしたし。
横浜の中華街の方がおいしいような。

ドイツ・・・あそこでおいしい!と思ったのはソーセージとビールのみ。
後はほぼ外国の料理でした。亡命してきたベトナム人の料理屋、イタリア人の
陽気なおじさんのピザ屋・・・そんな感じでした。

広州で中華を召し上がった事がおありとは!羨ましいです。
是非食べてみたい。

タイは屋台が異常に多く24時間どこかしらで屋台をやっているし
タイ人は買い食いが好きだし・・・台所がそもそも家にナイ設計という話まで
ある始末。ですからタイの家庭料理って?です。
Commented by mw17mw at 2009-07-18 09:21
>bkkfoxさん
おはようござます、昨晩は美味しく楽しかったのですが、手帖を忘れて来て、何も書けないのです。(後で取りに行って来ます)
昔々、香港→広州→桂林→広州→香港というツアーに行ったのですが、天候の関係で最後の香港泊がなくなり、桂林泊が一泊増えた関係で、広州で予定にはない、通常の観光客は連れて行かない「一流の料理屋での夕食」が加えられたのです、それはとても美味しかったです。

タイって、そうなのですか?
知りませんでした、外のレベルが高ければそれもいいですよね。
by mw17mw | 2009-07-13 12:39 | 飲食店・菓子店 | Comments(13)