鰻の蒲焼
2007年 07月 30日
それを聞いて、甥の父(私の弟)と私は、「それは、スーパーの鰻しか食べたことないからだよ」と伝えた。
私が小さい頃、町内には一軒必ず鰻屋さんがあって、その頃から決して安い食べ物ではなかったと思うが、出前で鰻丼を奮発したり、お客さんには、うな重を取ったりしたものだ。
その他、おかず横丁みたいな商店街に行くと、鰻を焼いているお店もあった。
だから、私にとって、鰻の蒲焼のデフォルトは、蒸して焼いた鰻屋の鰻。
(と言いながら、幼稚園のとき、鰻の蒲焼をひっくり返して、皮の醜さにびっくりし、「こんなものを食べていたのか」とショックを受け、それから、20年くらい、鰻を食べなかった。)
が、甥(中三)の世代は、スーパーで安い中国産の鰻を売り出し、国内産鰻が高くなり、町の鰻屋さんが商売をやめたりして、同じところで育ちながら、甥の世代にとっての、鰻の蒲焼のデフォルトは、中国産の蒸さないで焼いたコテコテの鰻。
私はスーパーで鰻を買ったことがない。
何だか、絶対美味しくないと思うのだ。
今まで食べた鰻の蒲焼で一番ひどかったのは、会社勤めのときの社員食堂の400円くらいの鰻丼。
こんなひどい鰻があるのか、これが鰻かとびっくりして、全て残した。
でも、周囲の人は美味しそうに食べていた。
きっと、そういう人はスーパーの鰻で育った人なのかなと思った。(偏見かも知れないけれど)
スーパーの鰻は買ったことはないのだけれど、友人のところに届いたレトルトの浜松の鰻パックとか、先日魚屋さんで売っていた冷凍の国内産鰻の蒲焼(四国産)は買って食べたことがある。
国内産であるだけ良いのかも知れないけれど、そして、身は柔らかいけれど、皮はゴワゴワで、私の好きな「蒸して焼いたタイプ」とは相容れないものだった。
蒸して焼くのは、東京だけなのかしら?
国内産と言っても、関西風の焼き方の鰻は、私にとっては、買う価値がないかも。
この国内産の蒸さないで焼いた鰻、半分は皮を剥いて、細切りにして、素麺と一緒に食べたが、最後くどくなってしまった。
皮を取っても、こんなに脂こいのだから、皮を取らないで食べたら、本当にしつこいと思った。
私の好きな鰻の蒲焼は、基本的には、箸で皮がちぎれるくらいのもの。
甥に話を戻すと、母が生きていた頃、たまに、鳥越の山ぎしという鰻屋さんで蒲焼買って来て食べたときに、甥たちの口にも入れてあげた覚えがあるけれど、もう忘れてしまったかな?
(山ぎしは、ちゃんとした鰻屋さんだったけれど、お店が小さいから、持ち帰りが主であった。
山ぎしを発見して以来、他の鰻屋さんとは縁が切れて、山ぎしの持ち帰りで十分満足していた。
鳥越の山ぎしと同じ系列と思われる「山ぎし」が谷中のよみせどおりにあり、一度買ってみたが、鳥越の方が相当上だと思った。
鳥越の山ぎしがやめたのもわかる気がする。我が家のような常連の客でも、母が年を取るにしたがって食が細くなり、元気な頃には、一人一串買っていたのが、段々、二人で一串になってしまった。そして、若い人たちは、スーパーの安い鰻に慣れているので、それで十分だから、新しい客が増えなかったのだろう)
また、一年くらい前だったか、弟と家の近所の焼き鳥主体のお店で呑んで、最後鰻丼を取ってみた。
結構安かったのだ。(鰻屋に比べてではあるが)
で、その鰻丼の鰻の蒲焼はすごく美味しかったのに、ご飯が不味いのだ。
熱々のご飯だったけれど、そもそもが安いお米なのかも知れない。
一口食べて、「ご飯が不味い」と言う言葉が出てしまった。(笑)
何だか、鰻・うな重・鰻丼の美味しさは、価格に比例すると実感した。
この焼き鳥屋の鰻は、蒲焼だけテイクアウトして、自分の家で食べた方が美味しいだろう。
さて、話は散り散りになってしまうが、最近、竜泉・三ノ輪・南千住の方に良く買い物に行く。
昔は全然行かなかった我が家の北側の地域なのだが、何だか、最近行くようになって、我が家の方からは消滅してしまったような個人商店が沢山あって、とても良い。(一箇所には固まってはいないのだけれど)
で、三ノ輪の交差点から、日光街道を北に向かい、三ノ輪の商店街の入り口を通り過ぎて少し行くと、写真のような鰻屋さんがあるのだ、近くまで行くと、すごく良い匂い。
写真で見ると、お店の名前がわからないが、「丸善(「まるよし」と読むみたい)」という鰻屋さん。
ここの本社だろうか、三ノ輪の商店街よりちょっと南側に「丸善」という大きなビルの鰻問屋がある。
そこの小売部門だろうか?
何だか、昔懐かしい。
ちゃんと炭で焼いているし、本当に昔ながらのテイクアウトの鰻屋さんの雰囲気、美味しいのかな?
一度、買ってみたいと思いながら、まだ、買っていない。
今日は、土用の丑の日、売れたかしら?
(午後から雨がひどかったから、商機を逃したかも)
そのうち、甥たちにも、ちゃんとした鰻を食べさせて、鰻の美味しさを教えねば。
とは言え、焼き上がりを抱えて常磐線に乗るのも何だし。混んでいない時刻にトライするしかないかな。
あそこら辺に実際に土地勘がある、行かれるとのことで....
この鰻屋の斜前あたりの路地を曲がると、そこが「仲通り商店街」
それをずんずん南千住に進んで、出口近辺左側にある「大倉屋」のがんもどき、
本当にお奨めです。(自分で煮なくてはいけないけれど)
是非お試しください。
>july4さん
あ、そうなのですか、だから、あそこらへん、お詳しいのですね。
今度、色々教えてください。
あの鰻屋、割きはやっていないところがちょっとなのですよね。
蒸してから焼いた、東京風でしょうか?
>まrさん
確かに焼き宛の熱々持って電車に乗るのは、ちょっと困りますよね。
あそこを見ていると、焼けたそばから売れてしまうみたいだから、冷めたのは
中々手に入らないかも知れません。
ま、とりあえず、私が試してみます。(爆)
こんばんは。私も昨日鰻を食べました。うちは商店街の魚屋さんの天然物の鰻が好きなんです。夏場は魚屋さんが鰻を仕入れた日は店先で蒲焼にされています。お値段もものすごくいいのですが(半身が2400円。これで3人分くらい?です。)、昨日はばんばん売れていました。私自身は鰻があまり好きではないけど、ここの鰻はおいしいです。
真理子さんが先日書かれたお話に通じるのですが、やはり、おいしいものを売ってくれるお店とか、商品に対し色んな知識を持ったお店は大事にしないといけないといつも思っています。安ければいいというものでは絶対にないと確信を持っています。
魚屋さんの奥さんが静脈瘤で入院されたとき、私は向こう2ヶ月を、いつもよりもずっと魚を買いました。魚の献立を増やし、すごくいいものなので近所へのおすそ分けにも使いました。それは魚屋さんにずっと商売を続けて欲しいからで、そうすることによって、私はおいしいお魚を食べることができるし、天然の鰻も食べられると思うからです。
鰻だけじゃなく色んなものはやはり値段に比例すると私も思います。でも、そういう考えは古いのかなあと感じることが私もしばしばあります。
お魚屋さんの話、えらいと思います。
頭ではわかっていても、やはり割高なものを買い続けるのは大変ですよね。
でも、本当におっしゃるとおり、良いものを知識と愛情を持って売る店は守らねば、早々に滅びますよね。
私も非力ではありますが、そういうお店でなるべく買い物をするようにしています。
何だか、スーパーやコンビニのような人と話さないで買う方式が主流になって、人と接しながら丁寧に物を売る方式がすたれるのは、淋しいし、間違っていると思わないわけではありません。このことについては、そのうち、ブログに書きますね。
>fumimaruさん
情報有難うございます。
DMでも、お友達から、「自分で蒸しなおして、焼直せば、食べられる」と習いましたので、そのうち、是非やってみます、そして、ブログに乗せますね。
中国産の鰻が安い、国内産でも、蒸さないで焼いただけの鰻は安い、というのは、原材料の価格差もあるのでしょうが、捌いた後の、「切って、串に差して、蒸す」という手間隙の人件費のあるなしが大きいのだと気付きました。
人数の少ない家なら、蒸し直し、焼き直しも可能ですが、大人数だとちょっと難しいかも。
鰻、お詳しいですね、すごい、すごい。
私は今年はまだまともな鰻屋さんに行っていませんが、一度くらいは行かなくてはね。
確かに、高いお店が全て丁寧なものを出しているかどうか、疑問です。
大家族で順番に家で美味しく焼き直した鰻丼を食べる図なぞ、想像するだけでほのぼのしますね。
そこに価値観を感じるお母さんが多ければ嬉しいです。
そんな夏をのりきらせてくれるのは.....うなかば様。
ある登山家も、登る時はパックの鰻蒲を必ず携帯すると聞きました。辛くなった
時に食べるそうです。ポカポカしてくるって.....血の巡りは大切だ(笑)。
ヘロヘロの時、「薬食い」のつもりで食べましたら、効果バツグンだったので好物に。
「美味い・不味い」以前に、「鰻さま~」って感じで崇拝してる気持ちの方が強いかも。
スーパー買いでは「国産もの」を買ってますが、今年はサスガに「中国産」は見かけ
ませんでした。 スーパーものは、我が家も「蒸して」ます。お酒をかけて....。
私は普段スーパーの鰻を買って土用の日など食べていましたが、今年は買う気がしませんでした。中国産の製品が騒がれていたりして中国の鰻はもちろん買う気になれませんでしたし、国内産と書かれていても中国で育てて日本に持ってきて国産にするということもあるようなので、やっぱり信頼できるお店で買うのが1番ですね。
家のお近くに個人商店が沢山あるのは羨ましいです。家の周りはスーパーやチェーン店ばかりなので・・・。
ようやく梅雨が明けましたが、まだ、蒸し暑いですね。
やはり、鰻は営業があるのですよね、ミネラル分もあるし。
登山に持っていくのは知りませんでした。
何だか、登山の途中に鰻食べている登山家って、姿を想像すると、
面白い感じ。(笑)
>denkoさん
ご指摘、その通りですね、最終、国産でも、確かに、中国から持って来たものであること、多いですよね~。
そう考えると、何も食べられなくなってしまいます、どうにかして欲しいです。
我が家の方も個人商店が消えつつあります、でも、まだ、どうにか、他よりは残っているという状態です。
私が住んでいるところは、市がうなぎまつりやるほどのウナギスキーな人が集まっている街です。
めったやたらとうなぎやさんがあって、自宅から3分のところに3軒も(^^;
うち一軒はお年寄り夫婦だけでやってる小さい店なのですが、これがまた朝8時には開店してるんです。そんな朝から需要あるんだと感心しています(笑)。
実は私が生まれ育った街も、人口比で日本一うなぎやさんがある都市で、購入額も日本一って場所でした。そっから移動した先が、またうなぎの街ってのがなんだか笑えます。
検索したら、「浦和」ですね、いいな~、市で「うなぎまつり」をしてくれるなんて。
浦和の鰻の焼き方は、「江戸前」ですよね?
大外郎さんのご実家の方は、蒸さないものかな?(ばりばり)
大外郎さんだったら、どちらもそれなりに味わえるのかと思います。
わ、鰻、食べたくなってきました。(江戸前を希望)
は?とシバシ考えたら.....夏休みだった。子供がいないと、このへんトンチンカン(笑)
くわえて「暑さで朦朧」なので.......仕方が無いですかね。
登山家....アルピニストで有名な....濃厚顔の....日本人で....ん~と思い出せない。
上京して初めての夏......本当に死にかけた。道産子には無理ですわ(笑)灼熱地獄。
その時、助けてもらったのが「鰻蒲」だったんです。ほんの一切れで凄いパワー。
滋養のある食べ物だって知ってましたが、薬でも何でも、効果を実感できる時って
本当に弱ったときみたい.....凄いですよ鰻様は(笑)ビックラコイタ。魔法の薬。
本当に、暑いですね、朦朧としてしまいますよね。
野口なんとかさん?
きばなさんの南限は、きっと東京でしょう。
名古屋や関西や瀬戸内地方等、転勤がないことを祈ります。
私は大阪で三回夏を越して、東京に帰ってきた直後の夏に、一人
汗をかかずに、涼しい顔ができました。(次年から元に戻りましたが)
大当たりです。関西風の焼き方ですね。
ためしてガッテンでは、関西の人は関東風嫌いらしいですが
私はどっちも好きです(笑
で、ぶっちゃけ生まれは津なんですが。
あのあたりでは 並~中~上~特上って違いが、うなぎの枚数だけだったり……。
ガッテンといえば、自宅で関西風の温め直し方が素揚げにするってのがちょっと驚きました。
関西の人も関東風の鰻大好きだと信じています。(笑)
関西人と鰻食べに行ったことあるけれど、大絶賛だったけれど、あれは、社交辞令かしら?
先日のガッテンに出ていた関西の鰻屋さんは、柴藤さんかな?
あそこの鰻は何度か食べました。
でも、私は関東風が好き~。(名古屋風は、そのうち、チャレンジします)
日本酒をふりかけでアルミ箔で蒸し焼きすると
鰻屋さんのようにバージョンアップされます。
うちは父が東京湾に鰻の仕掛けをし、自分で捌いて
焼いていたので、鰻が沢山かかると蒲焼きにして
ご近所さんに配っていました。
ウナギ屋さんで買ってきた鰻を温め直しするときは、日本酒振りかけますが、もしかして、スーパーのウナギは初めから諦めてやらなかったのかも知れません。
もしくはやっても、国内の蒸した鰻程美味しくならないから、諦めたのかな?
東京湾の鰻と、スーパーの中国産のウナギのかば焼きを同列に語ると、東京湾産が可哀そうな気がします。