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天性の「美味しい!状態に執着心」がある東京下町に棲息するおばさんのお料理・お菓子・道具・食材の他、散歩の記録を綴った日記です。by真凛馬


by mw17mw
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二度目の「ビストロ ラ シブレット」(夜) 2/2

二度目の「ビストロ ラ シブレット」(夜) 2/2_d0063149_1035871.jpg次は、富山産白海老とホタテのタルタル。
これは、他のブログで写真を見ていたので、どんなものか、初めからイメージがあった。
でも、「タルタル」というと「タルタルソース」を思い出し、マヨネーズに細かい香味野菜が入っているイメージ。
シブレットのタルタルは、細切りした海老とホタテをドレッシングで和えたもの。
で、今、インターネットで引いて、思い出したのは、肉のタルタルステーキというのもあるのだ。
どちらかというと、肉を海老とホタテに変えた感じか?
どちらにしろ、「タルタル」というのは、「タタール人の」という意味で、素材を生のまま細かく切って、ドレッシングなどのソースと和えたものらしい。

これも美味しかった。
海老とホタテが新鮮で、食感がコリコリ、冷たくて、ドレッシングも良い感じ。
おまけに、添えられている青野菜が全て、ちょっと苦味のあるタイプだったので、青野菜の苦味とホタテや海老の甘さがベストマッチであった。
よそで、「カルパッチョ」を取ると、殆ど魚の薄切りばかりで出てくることが多いけれど、私としては、ドレッシングで和えたような生魚には、大目の葉野菜を添えて欲しい。
そうでないと、私にはしつこい。
お刺身は、油を使っていないから、お醤油・わさび・少量のつまで食べられると納得。

出されたときに、四方に置かれた小さな丸いものを「これはイタリアの栗で、美味しいですよ」と言われた。
確かに美味しいのだが、栗の味で、じゃ、日本の栗と味的にどう違うか、表現するのは難しいねと話しながら、食べた。
とにかく、小さくて丸くて、形が日本の栗と違うことは確か。
日本の栗の方がホクホク感があるのかな?

さて、お次はこれ!
この日の私の一番はこれ。
タルタルまで食べ終わって、結構お腹はいっぱいだったが、お肉類を1つ取ってシェアすることにした。
で、黒板を見ると、色々美味しそうなものがあったが、「豚三枚肉と野菜のポテ」の「ポテ」がわからず、マダムさんに聞いたら、「野菜と豚肉をスープで煮たものです。スープの中に脂が溶けて、トロットロで、本当に美味しいですよ」と、その美味しさを思い出して、たまらないというような嬉しそうな表情で言うのだ。
その嬉しそうな表情に押されて、最後は、「豚三枚肉と野菜のポテ」に決まり。(あの表情を見たら、他のものは注文できない)

二度目の「ビストロ ラ シブレット」(夜) 2/2_d0063149_951636.jpg
これが、シブレットのポテ。
そうか、ポト・フーみたいなものねと納得。
(ただ、家に帰ってから、料理仏語辞典を引くと、ポト・フーが牛肉で、ポテが豚肉とあった。)

大きな豚三枚肉の塊と、野菜は、大根・里芋・筍・椎茸・銀杏と、驚くことに「ちょろぎ」。
それに、ほうれん草と人参と小玉ねぎ。

「フレンチなのに、大根と里芋?おまけにチョロギ~?」とびっくりしたけれど、どの野菜もちょうど良く煮えていて、スープの味を吸って、とても美味しかった。
一見、「おでん」とか「鶏のいりどり」風だけれど、味は全くのフレンチ、添えられたハーブ入りの塩とマスタードをつけながら食した。

別段、目新しい材料もないし、高価な材料ではないのに、これがとても美味しい。
フレンチなのに、里芋と大根、でも、でも、和で調理した里芋と大根とは別の味で、新鮮で美味しかった。
こういうのを「平凡の中の『非凡』」というのかしら?
シェフの料理のセンスの高さが良くわかった。

それに「チョロギ」だ。
チョロギは、私は、赤く染められた黒豆の上に飾るチョロギしか知らない。
そのチョロギさえ、口に入れたことがなかった。
だのに、シブレット・シェフは、ちゃんと口に入れてチョロギの美味しさを確認して、こういうスープの具材にするところが、本当食いしん坊のすごいセンスだと思った。
チョロギは、お芋のさっぱりしたものみたいで、美味しかった。

二度目の「ビストロ ラ シブレット」(夜) 2/2_d0063149_105293.jpg豚三枚肉は、右の写真のように、フォークを入れると、グシュグシュと繊維が解ける感じに柔らかく、「どうしたら、こんなに味を損なわないで、柔らかく煮えるの?」と聞いたほど、とろっとろで、しかも、味があって、最高。
スープの中に脂が溶け出ていることをイメージしたのだが、そうではなくて、脂の抜けた白い脂身がちぎれて、スープに浮かぶ感じ。
スープ自体はクリアで、何の雑味もなかった。
三枚肉をことこと柔らかく煮て、出てきた脂は全て取り去った感じ。

一つひとつの素材を丁寧に調理し、心と身体に、その丁寧さと優しい味が広がった、食べ終わった後、心も口の中もも良い気持ち。
(何だか、初代の野風僧シェフのお料理を思い出してしまった、野菜もお肉も普通のものなのだけれど、それの一つひとつが美味しいお料理)

ここで満腹になってしまい、無理すれば、デザートも食べられないことはないけれど、でも、それは「無理をする」ということなので、デザートはやめて、コーヒーだけにした。
でも、シブレットさんは、小さなチョコと洋ナシを出してくださったので、とてもとても満足。

次回、デザートまで行くとしたら、私の場合、省くのは「牡蠣のスープ」かな?

これで、スパークリングワイン1と白のグラスワイン1で、6300円くらいだった。

シブレットは、高級店で出すようなお料理も美味しいけれど、こういうフランス家庭料理というか、ビストロならではの料理も、確実に美味しいということがわかって嬉しい。
豚の三枚肉なんて、在り来たりの食材でも、料理の上手な人が作れば、本当に「ご馳走」

最後のポテは、心と胃に優しい料理で、夜眠るときも、胃が「幸せ、幸せ」と言っていると感じたのだが、朝起きても、まだ胃がご機嫌な感じであった。
そして、勿論、朝起きてダイエット散歩に出かけたのだが、自然と心の中に「ポテのような美味しいお料理を食べるための散歩だったら、いくらでもする」という言葉が浮かんだ程。(笑)

とても人気のある店で、次の日は予約でいっぱいと知っているから行けないけれど、席が空いていたら、毎日でも食べに行きたい感じ。(でも、現実は、美容院行くとか色々費用がかかるので、おいそれとはいけないのだが)

美味しいし、人を芯から、幸せにする「ポテ」との出会いであった。
「元気に生きよう!」という気持ちが自然に湧いてきた料理...シブレットのポテ。

ところで、私の親戚・友人・知人の皆様
私は、「月に一回はシブレットに行こう」と思っておりますので、「一緒に行ってもいいわ」という方がいらしたら、メールくださいませ。(12月は既にご一緒する人が決まっています。だから、来年以降になります)
これは、本当に、野風増で学んだ教訓、「いつまでも近所にあると思うな、料理のレベルの高い店」を生かした行動であります。
シブレットだって、いつまでもあの規模であそこで営業しているとは限りません。
あんなにリーズナブルで美味しい店が近所にあるうちに、是非、春夏秋冬のフレンチを味わいたいのです。
by mw17mw | 2006-11-11 10:16 | シブレット@浅草橋 | Comments(0)