2006年お盆休み最大のヒット 2/2
2006年 08月 18日
ごく普通のことだと思うけれど、東京に住んでいる人の殆どは、皇居に関心がない。(と思う)
あそこは、皇室のもので、皇居を観光するのは地方の人、みたいなイメージがある(と思う)
でも、最近の若い人は、観光で皇居に行くこともないだろう。(はとバスでも、皇居に行くコースはないようだ)
で、お盆休みの一日、大学時代の友人と、「三の丸尚蔵館」で若冲の絵が見られるとのことで行ってみた。(尚蔵館は、皇室から寄贈された貴重な芸術品を一般公開するための建物らしい)
無料だし、交通の便も良さそう。(パレスホテルの前の信号を渡ると、皇居に入る大きな門<大手門>がある)
武道館以外の皇居というか、元江戸城の中に入ったのは、初めて。
入園票を受け取り、進むと、すぐに「尚蔵館」はあったのだが、尚蔵館の先の方から多くの普通の人たちが戻ってくるのがわかる。
どうも、尚蔵館だけではなく、もっと奥まで開放されているようだと、進むと、そこは素敵な世界だった。
高くて大きな石垣、江戸時代からの木造家屋(それも大きい)、大きな空、雑木林、素敵な日本式庭園、え~、東京のど真ん中にこんな素敵なところがあったの!知らなかった~、である。
皇居は緑が多いとは聞いていたが、本当にすごい。
今まで、京都の御所、大阪城、熊本城とか、色々旅行したけれど、「江戸城」の広さ・美しさは圧倒的だ、「日本を統治していた将軍の住居」と考えれば納得できるけれど。
どう歩いていいかわからないので、所々に立っている地図を参考にしながら、歩いたのだが、二の丸と書いてある方に行くと、雑木林があるのだ。
雑木林の中には小さな道があって、それも、舗装されていない道で、雑木林の中を歩くことができる。
ものすごいせみの鳴き声、ミーンミンミン、オーシンツクツクだの、本当にここが東京の真ん中であることが不思議な世界。
上野公園は、散歩道が皆舗装されているし、雑木林の中を歩くということはない、それなのに、東京の真ん中のここは、どうしたことだろう、というか、私のしたかった「雑木林の散歩」が皇居で実現するなんて、考えたこともなかった。
とにかく緑が多くて、きっと周囲のオフィス街より気温が少し低いのではと思う。
上野公園は、公園の中に、人が沢山集まる施設が沢山あるから、緑が多くても、エアコンの熱を出しているのだが、この皇居東御苑は、何の施設、自販機等何もないから、涼しいような気がする。
そこを抜け出ると、日本庭園があったけれど、ここも素敵。
何なのだろう、結局は、日本を統治していた将軍の心を和ませるためのお庭なのだ。
全てが大きくて、全てがゆったりしていて、このお庭を見てしまうと、東京の中にある色々な庭園は皆せせこましく思えてしまう。
以前、修学院離宮に行ったときも、「さすが、帝の離宮」と思ったけれど、それと同じくらいの感激があった。
二の丸を見終えて、本丸に向かう。
昔、天守閣があったという天守台に上ってみるけれど、天守台の際まで行けないように柵があるので、余り面白くなかった。
でも、この写真を見るとわかるけれど、眼下に芝生の庭が広がっていて、気持ちいい。
丸の内のオフィス街は見えるものの、空の大きいこと、大きいこと。
芝生に寝転がっても構わないようである。
皆、伸び伸びしている。
皇居東御苑は、とても広くて、とても緑が多くて、素敵。
誰でも入れるけれど、完全に宮内庁と皇宮警察が管理している。
何ていうのだろう、汚い物が何もない世界なのだ。
しょっちゅう、皇宮警察の自動車や自転車で見回りをしているおまわりさんに会うのだが、別に気にならない。
気にならないどころか、危険から守られているようで、安心して、散歩ができる。
友人と、「外人を案内するのに、ここが一番ね」という話になった。
皇居東御苑が一般公開されているなんて、全く知らなかった。
家に戻ってから、色々調べてみたのだが、「昭和43年から一般公開」されたらしい。
知らなくて、損をしたという感じが強い。
余りに素敵だったので、翌日、先輩と野球を見に行く前に、再度行ってしまった。
「上野の山」が「普段着の公園」、「皇居東御苑」が「よそ行きの公園」という感じがしてしまった。
やはり、権力者のための施設はすごい。
春夏秋冬、それぞれに素敵な景色が見られると思う。
一般公開を宣伝していないから、有名でないけれど、実は、すごい散歩の穴場だと思う。
(そうそう、観光客の団体もいなかった。TVのロケも許可していないと思う。)
機会があったら、是非、いらしてみてください。
皇居の今の自然がいつまでも変らないこと、そして、変な人とか、いたずら書きのような事件が起こらず、いつまでも、誰でも入れるところであることを祈るのみ。
それにしても、私は、江戸城とか皇居に関する知識が全くないことに気付いた。
少し、勉強しようと思う。