天性の「美味しい!状態に執着心」がある東京下町に棲息するおばさんのお料理・お菓子・道具・食材の他、散歩の記録を綴った日記です。by真凛馬


by mw17mw

蔵前駅界隈-「ビストロ モンペリエ」で、ディナー 2/2

メインは、「骨付き子羊のロースト」と「ヒナ鶏のソテー、ソース シャッスール」
(本当は、牛ハチの巣のローストが食べたかったけれど、ハチの巣がなかったのだって。)
Kuramae-Aさんと、半分ずつ食べたが、両方とも本当に美味しかった。
いつも食べている子羊、ヒナ鶏と同じもの?と思うくらい、なめらかで柔らかい肉質で美味しかった。
何ていうのだろう、全てがちょうど良い塩梅で処理された、丁寧な下ごしらえと上質な材料が重なってできる美味しさ。

私のつたない食の経験の中では、大阪時代、梅田のデパートの中のカジュアルな吉兆さんの支店で食べた和食が、あまりに丁寧な美味しさなので、びっくりしたのだが、その時と同じ「丁寧さが積み重なったおいしさ」であった。

何だか、この子羊のローストを食べている時に、「いつも食べている子羊と違うでしょう、フランス産なのだ」と言われたのを機に、(先ほどの吉兆の思い出を思い出したこともあり)、海老沢泰久の辻静雄の一生を描いた「美味礼賛」を思い出していた。
辻静雄が初めてフランスのノルマンディーだったかで子羊を食べた時、そのお肉がいかにも「海辺の牧草で育った子羊の味」で、それに感激する場面があって、それを思い出したのだ。(小説の通りではないかも知れないが、これに似たエピソードが載っていたのだ。)
だから、私は、それを思い出し、いい加減に「海辺で育った子羊の味?」なんて、いい加減なことを言ったら、やはり、大外れ、「市場に出回っている子羊よりミルキーな肉質」なんだって。(笑)
でも、本当に火の通り加減も絶妙で美味しかったな。

そして、ヒナ鶏のソテーも、丁寧に丁寧に火を通した感じで、これまた、絶妙な火の通り加減。
全然火の通り過ぎているところがなかった。
ソース シャッスールというのは、フォンドヴォーベースの軽いソースとのこと、これも美味しかった。
また、糖質制限者としては、ヌイユが添えられているのも嬉しかった。

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デザートは、私がシェフお勧めの固いプリン、Kuramae-Aさんはバナナのパウンドケーキ、アイスクリーム添え。
その他、自家製のオレンジピールを出してくれて、全部美味しかった。
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いや~、美味しかった!
画像を見てもわかる通り、華やかに装飾的なことは全くなく、どちらかというと地味な外観が特徴の料理かな?

私のような、グランメゾンも行ったことがなく、レストランと名の付くところも数えるほどの経験しかない、また、料理の歴史については、先ほど、紹介した「美味礼賛」しか読んだことのない人間が断言するのは、危険だけれど、思ったことを書かせてください。

美味礼賛を読むと、日本のフレンチが一般化し、グランメゾンとか、レストランとか、ビストロが世の中にこんなにあふれ出して、まだ、50年くらいの歴史なのだ。
それまでの日本のフレンチというのは、ごく少数の本場を知っているシェフもいたけれど、それは本当に特殊で、世間一般にある西洋料理のお店は、「洋食」のお店で、それがきっとフランス料理だろうと思われていたのだ。
で、話は長くなるから端折るが、戦後、日本経済が立ち直ってきて、海外への渡航が自由になりつつある時代に、辻静雄さんという辻調理師専門学校を作った人が、学校を作る以外にも、フランスで味わった本物のフランス料理を日本に広めたいと、色々頑張ったのだ。
また、日本に本場のフランス料理が入ってきたのと同時に、フランスや中国でも、他国の料理の特徴を取り入れ、古典的な料理を捨て、「ヌーベルクジーヌ」という料理の流れが起きて、以前の料理がより軽くなったり、装飾的になったり、色々な流れが起きてきた。

そう考えると、辻静雄さんが日本に本場のフレンチを教えたい、広めたいと思ったフレンチも、その当時のフランスの料理であり、その後、色々な流れで、料理自体、昔のままではいられなかったと思う。(また、他のお店と違う味を提供しないと、飲食店は成功しないし)

で、私が思うに、ビストロモンペリエの荒山さんの料理は、その辻静雄が活躍し出した時代、本場のフレンチを日本でも作りたいと多くのシェフが切磋琢磨した時代の料理で味なのだと思う。
(だから、辻静雄とか、テレビの料理天国の小川先生とか、色々な昔の有名人の名前を出すと全部知っている人みたいな反応であった。)
それは、その頃、ちょうど若くしてレストランの厨房に入り、フランスの料理の作り方が身につくように、しごかれた調理人しか作れない美味しさかも知れない。
全てが丁寧だった時代(いや、今だって、高級なお店はそうだと思うが)の調理法で作られるフレンチ、美味しくて当然。
そういう意味でも価値があるし、このモンペリエのようなお店は他にあるのだろうかと思ってしまう。(だって、シェフ一人のお店だけれど、デザート各種のほか、オリーブ、パン、オレンジピールまで全部手作りなのだから。全て今では他所から仕入れようと思えば仕入れられるものではあるが、やはり、昔ながらの作り方が美味しいのだろう)

とても丁寧で美味しい料理であるだけでなく、また、50年くらい前の日本におけるフランス料理勃興の頃の味はこんなだったかなと想像できるところも価値がある。

ランチについては、以前行ったことがあるが、最近は行っていないので、よくわからない。
近々ランチも食べてみる予定、多分、それなりに良いだろうけれど、価格が違うから、夜と同じというわけにはいかないのではと思う、ま、昼については食べログの批評を参考にしてください。

夜も昼も予約した方が良いとのこと。(突然休むことがあるからとのこと)

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Commented by マユミ at 2018-06-12 22:22 x
私もモンペリエだいすきです。
三田のコートドールも美味しいけど、この価格でこのお料理はありえないほど素晴らしいです。
Commented by mw17mw at 2018-06-13 16:28
> マユミさん
いらしていたのですね、本当に良いお店ですよね。
言われてみれば、確かに、コートドールが同類のお店かも知れません。
モンペリエはビストロで、コートドールはレストランだから、料理とか内装の格が違うけれど、丁寧な調理が似ているかも知れません、きっと、斉須さんと荒山さんは同世代かもね。
by mw17mw | 2018-06-12 20:33 | 飲食店・菓子店 | Comments(2)