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天性の「美味しい!状態に執着心」がある東京下町に棲息するおばさんのお料理・お菓子・道具・食材の他、散歩の記録を綴った日記です。by真凛馬


by mw17mw

千駄木界隈-ようやく「こもれび」に行くことができた

土日になると、暇なこともあり、なるべく散歩をするように心掛けている。
今日は、千駄木の図書館に本を借りに行かねばならなかったので、千駄木に行って、そのまま白山上に出て、Cocosというファミレスで、ハンバーグでも食べてみようかなと考えながら、出かけた。

千駄木界隈-ようやく「こもれび」に行くことができた_d0063149_21563135.jpg千駄木の図書館の後、白山に向かって歩いていると、昨年6月にトコさんが発見して以来、何度か近くを通ったのだけれど、ずっと閉まっていた「こもれび」が今日は営業しているようであった。
(ずっと休業していたのは、ブログによると、ご店主が病気で入院のためとか。)

場所は、団子坂下の交差点から、団子坂の右側を上り、「団子坂上広場」という子供が遊べる小さな広場の路地を右折してちょっと行ったところ。
(右折すると、左前方に、「珈琲」という旗が見える。その旗の下に、「Open」という黄色い標識が出ていたら、お店は営業しているようだ。)

このお店、本当の住宅地の中にポツンとある平屋の喫茶店で、どう考えても、ご店主さんの所有物で、半分趣味で営業していなければ、成り立たないような立地。

しかし、昔は、自分の家を改造したような喫茶店が、住宅地の中にポツンポツンとあったのだ。
小石川の、今はサントクというスーパーの隣にあった「白樺」とか、40年くらい前の代々木八幡も本当に住宅地で、そこに、名前は失念したが、家族でやっているような素敵な喫茶店があったのだ。

特に、小石川の白樺は、庭があって、本当に素敵であった。

今は、喫茶店を始められた方が老齢化し、後を継ぐほどの商売ではない、バブルの頃、土地を売った方が採算が合うなぞから、現在は、住宅地の中の喫茶店は、殆ど、壊滅状態ではないかと思う。

その点、この「こもれび」さんは、本当に希少価値。

お店の前まで行って、扉を開けてみると、何だか、常連さんというか、お店の人の知り合いのような先客が一人いたけれど、すぐに帰って行って、その後、私一人だけ。

メニューを見たら、ハンバーグがあったので、それを頼んでみた。

千駄木界隈-ようやく「こもれび」に行くことができた_d0063149_21533872.jpgこのお店、お庭がないのが残念だけれど、窓から優しい日の光が入って来て、清潔でこざっぱりした店内には、ボサノバだろうか、BGMが静かに流れていて、とても安らげる。
この安らいだ感じは、住宅地のしかも路地にある喫茶店ならではという感じ。

ブログからすると男性が経営しているお店かと思ったら、応対してくれたのは、女性であった。

初めての訪問だから、そんな詳しいことは聞けなかったけれど、「ずっと閉まっていて入れなかった」と言ったら、「主人が入院していたものですから」とのことであった。

また、私が浅草橋の方から来たと言うと、とても珍しがられた。
普通は、谷中、根津の方には、外から人が来るけれど、団子坂の上の方にまで来るよその人は中々いないとのこと。
う~ん、そうなのかな?
私は、「もう、谷中、根津は飽きてしまって、最近は、団子坂の上の方とか、東大の方、白山の方を歩いています」と答えた。
確かに谷中・根津も良いのだけれど、やはり、観光地化が進んでいて、それはそれで良いところもあるのだけれど、観光地化されていない場所の方が、思いがけないお店を見つけたり、新しい発見があるので、楽しいのだ。(観光地化されている喫茶店は混んでいるし、落ち着かないことが多いし)

千駄木界隈-ようやく「こもれび」に行くことができた_d0063149_21555133.jpgで、出て来たのが、写真のハンバーグ、その日のソースは、ポン酢と大根おろし。
家庭で作るハンバーグのようで、家庭のハンバーグとしてはとても美味しかった。
つけあわせは、サラダと、カッペリーニというのだっけ、細いパスタのたらこ和え。
勿論、つけあわせも難がなく、完食。

やはり、これだけ、趣味的なお店なので、料理も相当それなりにこだわっていて、冷凍食品とか出来合いのものを使うことを考えたことがなさそうな感じが良い。
これだったら、他は、パスタ、カレー、ピラフなぞが食事メニューにあるけれど、頼んでも大丈夫そうな感じ。

ハンバーグとライス、それにコーヒーか紅茶が出て950円であった。

食後は、コーヒーを頼んだら、「酸味、コク、ビター、アメリカン」から選んでくださいとのこと。
ビターは、ビターなのだけれど、若干酸味があるとのこと。
コクかビターか迷ったけれど、コクにしてみた。
そうしたら、コクは、確かに、酸味と苦みがなかった、コクもあるような気がした。

コーヒーは手で淹れているとのことだったが、まろやかな味であった。

ここは、千駄木方面に行った時、散歩の途中、休憩するのに本当にうってつけのお店だと思う。
何て言うのか、昭和的と言う程、古い感じはないのだけれど、「現代」という時間の流れがこのお店には入って来ていない感じが良い。
古き良き時代という程ではないのだけれど、時間がとまったような空間なのだ。

確かに、古い木材や古い家屋を使って、そういう落ち着きを演出したお店もあるけれど、そこまでわざとらしくなく、技巧的ではなく、何だか、本当にこのお店のご夫婦が、それまでご自分たちがごく当たり前に暮らしてきた穏やかな生活が好きだからこそ、醸し出すことができる雰囲気なのだと思う。

私が出ようとした時、若い男女が入って来て、常連さんのようだった。
お客が途切れなくて良かったと思う。

まだまだ、頑張っていて欲しいお店。

私もまた行きたいと思う。
Commented by 桃猫 at 2012-03-04 23:17 x
きょうも、蛇骨湯の帰り路、ぼ~っと合羽橋商店街の地図を見ながら、酒屋のなまえをひとり静かに追ったのですが、探せず、、いつか突然訪問してビックリさせようかと思ってるきょうこの頃です。
Commented by mw17mw at 2012-03-05 12:21
>桃猫さん
あ、本当にいつか、いらしてくださいね。(ただ、土日祭日はお店が閉まっています)
合羽橋近辺を探されていたら、中々到着されないかも。
首を長くして、待っていますね。
Commented by 自他楽 at 2012-03-05 18:18 x
小石川の白樺、ご存知なので驚きました
先輩に教わって二、三度行きました。70年代に入って探しても見つからず、マボロシの店になっていました
不思議な空間でしたね
Commented by mw17mw at 2012-03-06 21:43
>自他楽さん
こちらこそ、小石川の白樺をご存知の方がおられるとは思いませんでした。(今まで、在小石川の方では一人ご存知の方がおられましたが)
あそこ、良かったですよね。
今のようなビルやマンションがビャンビャン建つ前の小石川でしたよね。
今考えると、あれは幻だったのかという気がします。
Commented by 自他楽 at 2012-03-06 22:19 x
当時、私は神田にある大学の1~2年生だったのですが……
そうすると、マリンバさんは近くにたくさんある名門の中高生だったのですね?
Commented by mw17mw at 2012-03-06 22:58
>自他楽さん
わ、多分同世代?
私は、幼い頃から、雑司ヶ谷の我が墓地に行くのに、春日通りを通るバスに良く乗り、小石川あたりが住みやすそうだなと思っていました。
で、大学が、大塚の先、都電で行くところにあったものですから、通学に春日通りのバスを使うようになりまして、途中下車して白樺を見つけました。(勿論JRを使っても行けたのですが、電車よりバスが好きだったので)
そんな通学していたから、余り、大学の授業に出席しなかった覚えが...。
Commented by 自他楽 at 2012-03-07 20:32 x
わかりますよ、私も時間に余裕があればバスです。ことに地下鉄はつまらない(笑)
アップダウンを繰り返し、のどかな都電に乗り換える~なんとも魅力的な通学ですね
西ヶ原四丁目下車、ですか? 名門ですね
お互い、白樺を知る最後の世代みたいです
Commented by mw17mw at 2012-03-07 23:10
>自他楽さん
誰でも「のんびり通学」の方がいいのですよね、でも、それを「時間が勿体ない」「やりたいことが他にあるから」と割り切れる人が出世するのでしょうね~。

一応その大学ですが、受験で疲れてしまい、その後勉強しませんでした。
ですので、実質「高卒」の私です。(笑)
だから、その大学を卒業したのはお情けだから、自分から言うことはないです。
でも、「合格した」ことは、18までは頭が良かった証拠だと、結構自慢です。(笑)
by mw17mw | 2012-03-04 21:56 | 飲食店・菓子店 | Comments(8)