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天性の「美味しい!状態に執着心」がある東京下町に棲息するおばさんのお料理・お菓子・道具・食材の他、散歩の記録を綴った日記です。by真凛馬


by mw17mw
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戦後の贈答品の残骸

戦後の贈答品の残骸_d0063149_1846529.jpg昨日は、別にどこに行く予定もなかったので、ずっと懸案だったビルの階段途中にある戸袋の中を掃除することにした。
親が他界するまで、開けたこともない戸袋だったのだが、開けてみたら、昔の清酒の化粧箱類が無造作に入っていて、早く片付けて、他の物を入れられるようにしなくてはとずっと思っていたのだ。

推測するに、ビルができたときに、父親が入れたものだろうから、かれこれ20年前に活躍していた化粧箱たちであった。
戦後の贈答品の残骸_d0063149_18474213.jpg戦後の贈答品の残骸_d0063149_1848894.jpg









清酒、ウィスキーも懐かしいが、すごく懐かしかったのは、砂糖の化粧箱とカルピスの化粧箱とたばこを10個を平らに並べる化粧箱。
今となっては、他人さまに、お砂糖やカルピスを送る人もいないだろうが、昔は、当たり前のように、贈られていた。
こういう箱に入れて、包装紙で包んで、のしをつけて、名前を書く、それが当たり前の贈り物だったのだ。
私も時たま手伝った覚えがある、砂糖なんて、上下を挟んでペシャっとさせて無理矢理1kgを2つ箱に入れるのだ。

何で、こういうものが贈られなくなったかというと、世の中がどんどん豊かになったからだろう。
そう、物資が余りない時代には、お酒、砂糖、カルピス、たばこを贈るしかなかったのかも。

物資が豊かになると、デパートとか、お菓子屋が頑張り出して、どんどん、酒屋へのギフトの需要が減ったのだよね、と、この風景を見ながら思った。
そうだ、業務が攻められているのは今に始まったことではない。
昔は、酒屋の仕事であったギフトをデパートに奪われていったのだ。
そのデパートも今は、売り上げが落ちているとのこと。
今ではもっと物資が豊かになり、多様化され、通販などを利用すれば、デパ地下で扱っている以上の珍しいものが贈れるものね。
それに、不況だしね、デパートで定価で買ったものより、もっと安い店で知恵を絞ったものの方が人気があるのもわかる。

ま~、商売って、そういうものかも知れない、どんどん、時代に合った新しい業態にお客が移って行くものなのねと、片づけながら考えた。
この化粧箱の残骸を見ていたら、戦後、酒屋の良い時期もあったのだろうけれど、ここ20年は完全に攻められっぱなしだと実感した。(笑)

ビール用の大きなのし紙だけは役に立ちそうなので、残したが、後は全て廃棄した。
by mw17mw | 2009-04-30 18:51 | 酒屋 | Comments(0)