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天性の「美味しい!状態に執着心」がある東京下町に棲息するおばさんのお料理・お菓子・道具・食材の他、散歩の記録を綴った日記です。by真凛馬


by mw17mw

大切な食べものを無駄にしない本

大切な食べものを無駄にしない本_d0063149_233036100.jpg先日、ベターホームの「大切な食べ物を無駄にしない本」とその続編の小冊子を買ってみた。
(オレンジ色の方が「疑問すっきり食品保存マニュアル」で800円、緑色のが「食べものを捨てない調理マニュアル」で、300円)
まだ、ざっと眺めただけで、まともに読んでいない。

役に立ちそうだと思う反面、やはり、こういう本を作るのは難しいと感じる。
例えば、この本では、ハムは冷凍できることになっているが、ロースハムは冷凍できないと私は思う。
たぶん、この本は、「ハムと言ったら、プレスハムが一般的」という常識の人が書いているのだろう。
(どちらが正しいのか?いや、正しいのは、ハムの種類ごとにきちんと書くことだと思う。)

それに、生の卵の冷凍も、「白身はできる」と書いてあるが、最近、私は、卵を溶いて、半分冷凍し、それを後日解凍して、フライものの衣に使っているが、別に、使えないとは思わないし、インターネットの冷凍に関するページで、溶き卵は、冷凍できると書いてある。

こういう細かいところまで突っつくと、本当にこういう本を編集するのは、大変だと思う。

でも、ま~、大抵は役に立ちそうだし、一家に一冊備え付けるのもいいかなと思う内容。
本屋でざっと見てみてください。

この本の最初に賞味期限・消費期限の説明が載っている。
やはり、賞味期限や消費期限が切れたということで、その食品を捨てる人が多いから、そうじゃないのよ、五感を信じて、食べられるかどうか判断してから、だめだったら、捨ててねという感じの内容。

そう言えば、和菓子の職人さんから、面白いことを聞いたことを思い出した。
「和菓子屋には、お餅を再生する技術があって、昔から、お正月に鏡餅を沢山飾るような大きな商売家から、お正月が明けてから、その鏡餅を預かって、手間賃だけもらって、のし餅に作り替えていた」とのこと。
それは、和菓子屋さんなら、どこの和菓子屋さんも知っていて、実際に使っている方法。
が、一般には知られていない、知っているのは、そういう仕事を和菓子屋さんに頼む立場の大きな商家だけかしら?

一昨年だったか、赤福が、店頭で売れ残った「赤福餅(もち)」を回収し、餡(あん)と餅を分離して、お餅を再利用していたことが大問題になったけれど、これは、和菓子の世界では、常識と言うか、昔からの自分たちにとっては当たり前の「お餅を再生させる技術」を使っただけで、不衛生でもなければ、ずるいやり方でもないとのこと。
どこの和菓子屋さんもやっている(もしくはやっていた)技術とのこと。

しかし、赤福の問題では、他の企業の食品偽装の問題や赤福がそれ以外に賞味期限のレッテルを貼り直していたことが発覚したことなどと絡み合い、もうその時には、赤福が行っていたお餅の再生技術を庇うようなことは誰も言えなかったそうだ。
その当時は、まるで、食品に関して魔女狩りみたいな雰囲気で、正しいことでも下手な発言をして理解されなかったら、「あそこも食品偽装しているのでは」という疑いをかけられるだけだから、和菓子屋さんたちは、皆黙ってしまったそうだ。

そして、この技術は、日本古来からの食文化の一端なのだけれど、抹殺されたとのこと。

また、和菓子には、賞味期限・消費期限は馴染まないらしい。
「食べ頃」はあるけれど、カビが生えたり、味がおかしくならないうちは、少し味が落ちても食べられるとのこと。(ま、何でもそうだけれど)

一体、何が悪かったのだろう?
やはり、小さな地域で、作る人と買う人がお互い知っている関係から、全国を相手にする商売になるときの企業の姿勢が変わらなくてはいけなかったのだということかも知れない、すなわち、「昔からの方法の中でも、誰にでも理解できる方法しか採用すべきでなかった」ということかも知れない。

もしくは、賞味期限・消費期限の基準を決めるとき、余りに対象になる食品の数が多いから、細かいところまで調査してから作ったら、作れなかったかも知れない。
こういう全てに対する法律というのは、土台無理が多いから、こういうひずみが生まれたのかも知れない。

または、その技術が一般に公開されていない技術だったことで、短期間で世間の理解を得られず、マイナスに働いたのかも。

大切な食べものを無駄にしないって、結構難しい。

これまた、まとまりませんが。
Commented by ニエフ at 2009-01-08 18:24 x
赤福のお話、お餅の再生について、
知りませんでした…
そうだったんですね。

当時の雰囲気、「魔女狩りのよう」とは、
上手く例えてらっしゃいますね、
本当にそうでしたね。

そんななりゆきで
「日本古来からの食文化が一端が、抹殺され」
ていたなんて。。。

赤福偽装事件の真相を全く知らなかった
私ですが、今日、このブログを読んで、
本当に良かったです。
お餅は再生できるんだよってこと、
友達に伝えていきます。

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5日にUPされている黒豆の写真、拝見しました、
つやつやしてて、美味しそうですね!
(^v^)
Commented by mw17mw at 2009-01-08 23:44
>ニエフさん
お餅再生のこと、実際、食べ比べたわけでもないけれど、教えてくれた人が信用できそうなので、書いてしまいました。
赤福の件、そのお餅の再生では赤福さんは、悪いことをしたわけではないけれど、「賞味期限とか消費期限」の制度は、それを越したものは商品価値0とみなすことになるので、お餅はなじまなかったのですよね。
賞味期限のレッテルの貼り直しは最低ですけれど、心のどこかに、「お餅や餡に賞味期限はない」という思いがあったのでしょうね。

本当に、特に食品に関しては、偽装が横行し過ぎて、つい、気分的に魔女狩り的雰囲気がありましたよね。
あれ以来、企業が皆委縮してしまったという話もあります。

黒豆、褒めてくださってありがとう。
確かに美味しかったですよ。
by mw17mw | 2009-01-07 23:31 | 料理よも山話 | Comments(2)