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天性の「美味しい!状態に執着心」がある東京下町に棲息するおばさんのお料理・お菓子・道具・食材の他、散歩の記録を綴った日記です。by真凛馬


by mw17mw

日本橋馬喰町 古今の「三重弁当」

今日のお昼、yasuさんにお付き合いいただき、日本橋馬喰町の古今で、ランチをしてきた。
馬喰町は、我が家から自転車で15分くらいなのだが、お昼に一人で自転車を走らせてランチを食べに行く気がしなくて、今まで、行けなかった。
yasuさん、お付き合い有難う。

古今というお店は、以前は、東日本橋の薬研堀不動の近所にあって、一度行ってみたいとずっと思っていたのだが、東日本橋に中々ランチに行く気にはならなかった。
それが、ちょっとは我が家から近い馬喰町に移ったと、このブログやこの食べログで、知った。
場所は、岡永倶楽部の向かい側。

日本橋馬喰町 古今の「三重弁当」_d0063149_2224298.jpgお店は、新しくてこざっぱりしていて、落ち着く、気持ちの良い空間。
(古い建物であった東日本橋の時代に行かずに、馬喰町に移ってから行ったのは、それはそれで、正解だったかも)

事前に読んだ評判に、三重弁当の上には、つくねが入っていて、それが絶品と書いてあったので、二人して、三重弁当の上にした。(1500円)

日本橋馬喰町 古今の「三重弁当」_d0063149_21351153.jpg
お重は、木を緑色に塗った塗り物の器に、古今と書かれたものだったけれど、当たり前ではあるが、プラスチックなどのお重とちがって、器の厚さ、重さが素敵、古い器だったが、重々しいというのではないけれど、何だか、器のつくりの丁寧さに安心感を感じる。(これは、漆塗りなのかどうか、無知でわかりません←追記:今日、緑色の漆があることを確認しました。<5/17>)

一番上の重は、さざえと野菜の煮しめものとかまぼこ。
真ん中の重は、海老フライ、鶏のささみのフライ、焼き鳥とつくねに玉子焼き。
一番下は、ご飯なのだが、一番下の器は深みがあって、見かけより、沢山ご飯が入っていた。
その他に、お新香とお吸い物がつく。

何と言うか、一言で言うと、「全てが上等、全てが丁寧な料理」であった。
そして、味が濃くないのだ。
勿論、野菜の煮しめやつくねは、東京風の甘辛い味付けではあるが、全くくどくない。
何ていうのだろう?
近所の人に定期的に食べてもらいたいお弁当だからだろうか、何度食べても飽きないように、味付けを薄くしてあるのかも知れない。

美味しかったけれど、印象は?というと、「全ての素材が上質で、全てが丁寧に料理され、フライ・焼き物やご飯は、でき立て熱々で出てきて、全てがきちっと料理されていて、美味しかった」ということになってしまう。

下町のお弁当としては、上品な味付けだと思った。

確かに、評判に書いてあったように、海老フライと鶏のささみフライは、素材に予め塩を振るらしく、食べると、塩味がした。
ただ、先に、フライ類には、塩味がついていると読んでいたので、醤油をかけずに、食べたので、そんなに塩味が突飛なものには感じず、ご飯を食べながら、塩味のフライを食べると、「ソースや醤油をかけずに食べても、おかずになる」という感想を持った。
(フライを見ると、反射的に、お醤油かおソースをかけてしまう人は、卓上にあるお醤油をかけてしまうだろう、そうしたら、味が濃くなり過ぎると思う)

焼き鳥の鶏肉も、つくねに使われている鶏の挽肉も上質であり、ご飯もつやつやピカピカ、とても美味しいご飯であった。

一番印象に残ったのは、玉子焼き。
焼き方・味とともに、食べたときに、「昔、こういう玉子焼き食べたことがある」と懐かしく感じた。
関西のだし巻き玉子、お寿司屋さんの厚焼き玉子とも、違う。
だし巻きは、だしが多いから、みずみずしい風情があり、厚焼き玉子は、力強い作り、そして、両方とも厚い。
そして、両方とも、つやつやピカピカしているけれど、古今さんの玉子焼きは、マットな感じの薄焼き玉子を数回折りたたんだ感じ(かな?)
子どもの頃、親に、「玉子焼きを焼いて、厚みのあるものを」とねだったときに、親が、薄焼きを焼いてそれをパタパタとたたんで作ったような薄い玉子焼きであった。
味は、くどくない程度に甘め。
最近は、玉子焼きというと、玉子焼き器で焼いた厚さのある玉子焼きばかり食べていたから、こういうそんなに厚くない玉子焼きという焼き方があったのを忘れていたような気がした。
焦げ目がついていたけれど、焼き過ぎてはいないで、玉子焼きは、とても柔らかかった。
(この玉子焼きは、やはり、「古い東京の玉子焼き」だと思う。)

ということで食べ終わって、馬喰町、東日本橋を軽く走って帰って来た。

古今の玉子焼きに、懐かしさを感じた分けが、夜わかった。
帰り道、蔵前の自然食品販売所のようなところで、自然に育てた鶏の卵だったか、正しい名称は忘れたが、スーパーで売っている大量生産品とは違う卵を買って来たのだ。(1つ40円)
夕飯に、それを生卵で、ご飯にかけて食べたのだが、その後味が、古今の玉子焼きと同じであった。
古今の玉子焼きの卵は、大量生産品ではなくて、ちゃんと吟味して、昔ながらの卵を使っていたことがわかった。

昔ながらの卵の味、食べているときはそんなに大量生産品との差を強く感じないが、後味がいい。
子供の頃、食べていた卵は、こういう味だったのかしらね~。(何だか、現代の大量生産品の卵の味にすっかり慣れている自分を発見。)

日本橋馬喰町 古今の「三重弁当」_d0063149_22243945.jpgものすごく美味しいとは思わなかったが、吟味された材料で丁寧に作られたお弁当は、価値があるし、このお店がずっと続いて、このグレードの料理を提供していて欲しいと思う。
これほど、丁寧に作ったお弁当を食べたのは、久々だと思う。

きっと、このお弁当なら、誰が食べても、「作った人の丁寧さ」を感じると思う。
土日祭日がお休みだから、不可能だけれど、日曜日営業していたら、お祭の時に、出前して欲しい。(笑)
(お昼は営業が14:00となっているけれど、実際は、13:30ラストオーダーだそうだ。)
Commented by yasu at 2008-05-18 09:15 x
古今のお弁当、ほんとうに丁寧に作られていましたね。
フライも揚げたてで温かかったし、ごはんもベタベタしていなくて
おいしかったし、わざわざ食べに行く価値のあるお弁当でした。
あの内容なら1500円はかなり良心的ですね。
Commented by mw17mw at 2008-05-18 11:36
>yasuさん
お付き合い有難うございました、yasuさんがいなかったら、これからもずっと行けなかったと思います。
yasuさんも満足だったのですね、良かった、良かった。
あのお店が近所にあったら、お客さんのときにいいですよね。
あそこまで行かなくても、仕出し弁当屋が沢山あったのですが、殆どなくなってしまいました。
by mw17mw | 2008-05-16 22:43 | 飲食店・菓子店 | Comments(2)