アメ横で海苔を買う

お祭りの話は一旦置いておいて、違う話を。

海苔が切れた。
自分で焼く海苔はあったのだけれど、焼いて人にあげた。
焼いていて思ったのだけれど、冬には焼く気になるのだけれど、暑くなってくると、焼くのは大変だ~、今度買うなら、焼いてある海苔だと。

海苔は私の必需品。
おにぎりは海苔がないと作る気がしない。
海苔があれば、まぐろ買って来て、海苔に炊き立てのご飯と、づけにしたまぐろを乗せて、手巻きにして食べるのに、海苔がないとそれもできない。

海苔が切れて、2,3週間、そろそろ、我慢の限界。

で、築地に行くのも面倒、普通のデパ地下の海苔屋は高い。
スーパーの海苔は、値段に比して、美味しくない気がする。
以前、多慶屋で一番高い海苔を買ってみたけれど、満足せず。
どこからか回ってきた海苔があればいいのだけれど、それもなし。
だったら、アメ横で海苔を買ってみようと思い立った。

でも、アメ横で、初めての食料品を買うのって、難しい気がする。
もしかして、良いものを売っているのかも知れないけれど、大抵は、叩き売りのように、安いものを売っているから、どこのお店に行けば、自分が望むような、「手頃な値段で、美味しい海苔」があるのか、全く、見当がつかない。
アメ横には、結構、海苔を扱っているお店がある。

でも、冬に見たときに、ちゃんと新海苔を売っていた「丸茂商店」が良さそうと踏んだのだ。
それに、日本橋の海苔問屋の小売店で、海苔しか扱っていないというところが良い。
試すなら、この店からにしようと思った。

久々に行ってみたら、場所が移転していた。
今までは、ABCマート本店のところのガード下だったのだが、今は、アメ横センタービルの線路側、真ん中よりちょっと上野寄りである。

で、「高くなくて、家庭でバリバリ食べられて、美味しい海苔」
「茶色い海苔ではなくて、青いのがいい」と告げると、「茶色い海苔より青い海苔が好みなのですね」と言われて、「あ、そうか、世の中には、茶色い海苔が好みの人がいるのだ」とわかった。
(茶色い海苔が粗悪品というわけではないみたいだ)

d0063149_1146247.jpg丸茂商店さんは、「これなんかどうです?」と味見させてくれた。
最初に味見したのが、「富津下州の海苔」
これが、グルタミン酸が振ってあるのではと思う程、味が濃くて、青くて、しかも、薄さが気に入った。(でも、口の中が気持ち悪くならなかったから、天然物)
<そういえば、新海苔を焼いて、若い人にあげたら、感想が「味付け海苔でないのに、味がある」だった。あの時、不思議なことを言う人だと思ったが、味のある海苔の味って、味付け海苔に共通するところがあるかもと、このとき思った。>

一帖300円というところも気に入ったのだが、5帖単位なのだ。
「5帖は多過ぎる」というと、「これは?」と一帖250円で3帖単位の海苔を味見させてくれたが、これは、味が薄い。
結局、5帖でも、どうにかなると思って、下州の海苔を買って来た。
これはバリバリしていて、難がなくて、手頃で美味しいと思う。
(でも、今後ずっとこれを買うかというと、今度買うときは、またちょっと冒険してみようとは思っている←でも最後はこれで落ち着くかな?)

で、丸茂商店で色々検索していたら、親会社は、宮永産業で、このHPで、そこで、先代の社長の一代記エッセイを発見した。

海苔に命をかけた男の一代記「わが海苔人生」

これを読むと、「海苔の生産と流通の大正以降の歴史」が良くわかった。
たかが海苔なのだけれど、古来からずっとあった食品で、私たちは、最後、四角くなった海苔を買うか買わないかしかないけれど、海苔を生産する人から問屋・小売まで、色々な世の中の変化(戦争とか輸入規制とか)に直面して、それを乗り切って、結構大変なのだなという感想を持った。
また、本当に古い業界なのだなと思った。(お酒もそうだけれど)
(色々複雑だけれど、一番はっきりしているのは、「山本海苔店」がトップということ。)

自然や天候の変化に左右される自然の海草から、常に一定の良質の海苔を作るというのは大変なことのようだ。

読んでいると、山本海苔店とか、合羽橋の裏にある小善という大きな海苔の会社とか、私の知っている名前が出てきて、私としては面白かった。(小善も、合羽橋の裏の会社の近所に小売店があり、暮れにはセールをやるらしい)

また、ちょっと考えれば当たり前だけれど、おせんべいに貼る海苔は薄い方が良くて、駅弁で売られるような海苔巻きの海苔は厚い方がいいのだ。
そういう海苔をどうやって作るかと言うと、作ろうと思って作れるものではなく、産地で、「どこそこの海苔は、おせんべい向き、どこそこの海苔は、駅弁の海苔巻き向き」という風になるそうだ。
そういうのも、面白い。

そう考えると、私のように、青くてばりっとしていて、適度の薄さという海苔は、千葉産になるのかしら?

今回、この一代記で、海苔の生産から小売までの歴史がわかったけれど、日本で古来食べられている乾物の流通に関しては、乾物の種類の数だけ、こういう歴史があるのかも。

丸茂商店さんは、一代目から海苔業界に深くかかわってきた問屋さんのお店のようだ。

ただ、感覚として面白いのは、それだけ古くからの大きな老舗が、アンテナショップを出すのに、アメ横を選んだということ。
私の感覚では、味にうるさい人は築地に行き、アメ横には、こういうっちゃなんだけれど、余り味にこだわらない、質より値段の人が行くイメージがあるのに、何で、そんな老舗が、アメ横にアンテナショップなのかと思わないわけもない。
(そうは言ってもアメ横には、伊勢音さんの厚削りとか、私の定番を買う店がないわけではない...ん?一軒あるだけだけれど)
これから、どう発展するかわからないけれど、私が美味しいと思う海苔を扱っていて欲しい。

(追記:書き終わってから、わかりました。この宮永産業さんは、古くて手広い問屋さんだから、小売に進出するに当って、既存のお客さんの邪魔をしないことを前提としなければならなかったから、アメ横に進出したのかも、と思いましたが、果たして、正解かな?)

次は「アサクサノリ原種使用焼海苔」を買ってみたいが、一帖900円の高級品。
山本海苔店の焼き海苔でも、800円台だったから、さぞ美味しいに違いない。
楽しみ。
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by mw17mw | 2007-06-17 11:47 | 食材・食材のお店 | Comments(7)

Commented by hatchma at 2007-06-18 20:51 x
marikoさん、こんばんは~
また、海苔を取り上げて頂いてありがとうございます。
しかも、うちでは富津の下州の海苔を多く扱っているようなので、
黙っていられません^^

「茶色い海苔」って、どんな海苔ですか?
焼く前の海苔なら、黒いはずですが・・・
相当古くなった海苔の事ですかねぇ。

新海苔が出たての年末の海苔は、香りが良く本当に美味しく口の中で溶けます。
そんな海苔でも、うちでは一帖800円とか900円なんてしないんではないかしら?
因みに、値段が倍するから味も倍美味しいかというとそうでもないようですよ~
大手の海苔やさんは安いときに大量に仕入れて、相場を見て倉庫から出すそうなので、
出来たてを食べたかったら、大手で買うのは止めた方がいいそうです。
Commented by mw17mw at 2007-06-18 22:32
>hatchmaさん
先日、房総に行ったとき、富津の近くを通りました。
「茶色い海苔」って、幼稚園くらいのときに、海苔が食卓に出ていると、明かりにかざして、色をチェックしていたのです。
食料品屋さんから買って来た海苔は、茶色で、海苔専門店の海苔は、青かったのです。(笑)
下州の海苔、すごく美味しいですよ。

海苔のことではわからないことだらけ。
色々教えてください。
宮永産業の先代の社長の一代記とか、山本海苔の、
http://www.yamamoto-noriten.co.jp/blog_cgi/index.php?page=5
の2006/12/28とか2007/1/12を読んでも、わからないところが多々あります。
また、宮永産業のHPの一番最初に、「仕入れた海苔は、マイナス15度で厳格に管理」とか書いてあるけれど、これもよくないのかしら?
ただ、出来立てをどこで売っているのか良くわからないのです。

まず質問ですが、海苔って、焼く前の火入れした状態で、生産者から問屋などに引き取られるのでしょうか?
山本海苔とか小善は、工場持っているみたいですが、自分で焼くのでしょうか?
Commented by hatchma at 2007-06-19 14:55 x
実は、実家は富津市にあるんですよ~
下州海岸へも歩いていけます。

何でも食物全般に言えることですが、
日にちの経った物は香りやうまみはどんどん抜けていきますよね。
海苔もというか、海苔は特別香りを楽しむ物なので、どんな状態で保存されて
あっても保存は保存です。
野菜と同じで産地直送が理想ですね。

私も、それ程詳しくはないのですが、
まず、生産者が直接うちにできたての海苔を持ってきて、
焼き海苔パック詰めの依頼をします。
するとうちの様な焼き海苔やさんは、
1.10枚ずつ半分に折られてきた海苔を伸ばす
2.数日火入れをして、湿気をとる
3.焼き海苔の機械に通すと10枚ずつ出てくる
4.乾燥剤を入れてパック詰めをする
保存する場合は、火入れした状態かパック詰めが良いようです。

もちろん、山本海苔とか小善さんは超大手なので、
うちのような極小店とは比べようもないほどの
焼き海苔の機械があるとおもいますよ。

これで、説明は十分でしたか?
Commented by mw17mw at 2007-06-20 23:00
>hatchmaさん
ご説明有難うございます。
「焼き海苔屋」さんという商売があるのですね。
hatchmaさんのご説明と下記ページでだいたいわかったような気がします。
http://www.mctv.ne.jp/~y-nakano/kensa.htm
大きな流れとしては、生産者は、乾海苔を作るところまでが仕事で、それが漁協で、選別されて、入札されて、問屋や海苔メーカーに売られていくのですね。(そこで、焼き海苔にされたり、最終小売店に出荷される形にされるのかな?)
でも、その他に、生産地では、浜別の入札に出さない海苔というのがあって、生産者が自分で販売したりするのかしら?
hatchmaさんのご実家は、大手に対する入札に出さない乾海苔を焼いて、独自ルートで海苔屋さんや末端消費者に売っているのかしら?
(野菜もそうですが、大手を通さない方が、新鮮で良いものを安く手に入れられると思います)
ところで、富津下州の海苔、とても美味しく満足しています。
Commented by mw17mw at 2007-06-20 23:09
>hatchmaさん
焼き海苔の工程の説明もみつかりました。
http://www.mctv.ne.jp/~y-nakano/yakikotei.html
Commented by hatchma at 2007-06-21 10:13 x
うちは、焼き海苔屋なので海苔を焼いて袋にパック詰めをする仕事をしています。
基本的に小売店ではないので、通りがかりの人が立ち寄って買っていったり、
工場の横の夏場だけ営業のレストランというか喫茶店でも、販売しているようです。

やはり、色々な人の手に渡るということは鮮度が落ちるし、
価格も上乗せされますからね。
食べ物は、生産者直結が理想ですね。
Commented by mw17mw at 2007-06-22 23:28
>hatchmaさん
お返事遅くなってすみません。
焼き海苔屋さんって、商売があるのですね。
インターネットで「焼き海苔屋」で検索したら、大森の田庄さんが出てきました。
http://yakinoriya.com/
こういう感じなのかな?
食べ物は、本当、絶対生産者直結が理想です。