新海苔を焼く
2006年 12月 11日
で、先日、築地で焼いてある「青まぜの新海苔の見本」を食べてみたが、美味しくないのだ。
私は自慢ではないけれど、青まぜの新海苔は、多分今までずっと自分で焼いてきた。
香りも味も食感も違う。
「こんなにも差があるものか」というのが、焼いてある青まぜに関する感想だった。
海苔は、確かに焼き立てが美味しいが、自分で沢山焼いておいて、湿気防止剤を入れた缶に保管しておいても、結構長く美味しく食べられる。
先日、贈り物のために、3,4年振りで、海苔を焼いたら、上手にできた。
で、今日は二回目、自分のために海苔を焼くついでに、写真を撮ったので、「我流の海苔の焼き方」を記事にすることにした。
きっと、誰も真似してくれないとは思うけれど、私はやはり「自分で焼いた海苔の美味しさ」がわかってしまったので、これからも自分で焼くと思う。
(今日、焼きながら、私が年取って自分で海苔が焼けなくなったら、介護ヘルパーさんは焼いてくれるかしら?とか想像してしまった。<笑>きっと焼いてくれないと思う。そう考えると、私が元気なうちでないと食べられない贅沢かもと思ってしまった。)
何で、家庭で海苔を焼かなくなったかというと、ま、「予め焼いてある海苔」が出現したからということもあるが、火鉢が家庭からなくなったので、家庭で上手に焼けなくなったのだ。
ガス火というのは、水素を含んでいて、燃えるときに水分が出るので、海苔を焼くのに向かないとのこと。
(でも、築地に行けば、焼いていない海苔は結構売っているから、私のような人も世の中には少数ではあるが、いるのだ、きっと)
勿論、海苔を焼くために、炭を起こすなんて、私だってしたくない。
ガス台しかない私がどうやって上手に海苔を焼くかというと、私の場合は、写真の四角い、本当はステーキ用のパンを使うのだ。(昔々買ったもの)
(実際、これでステーキを焼いてもうまく行かないので、今はパンとしては使っていない。←捨てるのもなんだから、取っておいたもの)
これをガス台に乗せて、火をつければ、ガス火から出る水分はこのパンの下までで、パンの上側には、パンが熱く温められたことによって発生する湿気の無い熱い空気層ができるのではと思ったのだ。
(別にこういう四角いものでなくても、フライパンでも何でも、ガス火を大きく覆って、長時間加熱できる平たいものなら、何でも良いと思う)
一緒に写っているのは、湿気除去剤。
今日、合羽橋から浅草橋のシモジマまで歩いて探したが、浅草橋シモジマ8Fにあったこれが一番、私に向いていた。(安くて、量が少なくて、ジッパー付きの袋に入っていたから←180円くらいだったかな?)
ということで、海苔の空き缶もあるし、準備完了。
ステーキパンをガス台に乗せて、着火。
どのくらいの熱さがいいかというと、昔火鉢で海苔をあぶったのだから、手をかざして、熱いけれど、手をかざして、温めようという気になるくらいの温度。
(写真は、まだあぶっていない海苔を太陽にかざしたもの)
焚き火や火鉢に手をかざして、心地良いか、ちょっと熱いくらいだったら、パンの上に熱い空気の層ができているわけで、中表に二枚合わせた海苔の角を持って、片面ずつひら~りひら~りとパンにちょっとくっつけながら、翻して、乾燥させていくのだ。
(写真は、焼いている途中。大分青くなってきたけれど、まだ茶色い部分が多い)
火加減は、海苔の状態を見て調整する。
熱い空気帯の中でひらひらさせていると、すぐに、二折れだったものが、真四角になる。
その感じは良いのだが、海苔に焦げ目とか、白い筋が多く付くようだったら、火を弱める。
要は、焦げないようにして、まんべんなく水分を抜いていくのだ。
水分が抜けた証拠が「黒から青への変化」なのだ。
私の海苔焼きの先生は、父親。
小さいとき、父が火鉢に餅網を乗せて、ひら~りひら~りと焼いては、一枚ずつ電球にかざして、めがねをずらして、裸眼で色を真剣に確認していた姿を覚えているのだ。(父もきっと海苔が好物だったに違いない)
とにかく青くなるまで、気長にひら~り、ひら~りを続ける。
(時々、持つ角を変える)
父親流にやりたいところではあるが、私は父より気が短くて、一つだけずっとあぶって仕上げようと思うと、飽きてしまう。
それで、最近は、三組くらい、中表に合わせた海苔を用意して、少しずつ、三組焼くのが、私の性分に合っているということを発見した。
一組ひら~りひら~りして、少し青くなったら、一旦それは除けておいて、次の組を同じように焼く。
三組終わったら、最初に戻って、またひら~りひら~りを繰り返す。
これを4,5回行うと、だいたい焼き上がる。
光にかざしてみて、だいたい青ければ、焼き上がり。
三組六枚焼くのに、10分か15分くらいの仕事。
焼いている最中も、海苔の良い香りがして楽しい。
これが、焼く前と焼き上がりの写真。
こうやって比べたのは初めてだが、焼くと結構縮むものだということがわかる。
(水分が抜ける分が縮むのだ、きっと)
焼けた海苔の向きを揃えて、二つ折り、四つ折、八つ折にすると、水分が完全に抜けたかのようなバリバリっという音がして、折れる。
今日は自分のために6枚焼いたので、当分美味しい新海苔が楽しめる。
焼海苔屋では焼海苔の機械に通す前に、熱風乾燥する-火入れ-の行程があるそうです。
この-火入れ-をすることによって適当な水分が抜け長期保存が可能になり、更に焼縮みが防げるそうです。
ですので、家庭で焼く場合の縮みは防ぎようがなく、
また、焼き加減は好みなのでコメントの仕様がないとのことでした。
3枚の海苔を焼くのに10-15分も掛けて焼くmarikoさんに感心してました。
焼き上がりも楽しみですが、その行程も楽しかったりしますからね。
家庭で海苔を焼いて楽しむのも通のなせる技です。
参考までに、パックされた焼海苔でも、一度火を通すと香りを楽しめるとのことですよ~
それにしても・・・marikoさんの探求心には毎回感服します。
わざわざお姉さまに聞いてくださったのですね、有難うございます。
色々勉強になります。
多分、その「熱風乾燥による火入れ」で、風味が薄くなっているのではないでしょうか?
自分で焼いた場合の「焼き縮み」は致し方ないのですね。
それから、3枚ではなく、3組6枚で、10~15分です。
年に一二度だったら、できますよ、
焼き海苔で買ってきたものも、今度から、火を通してみます。
火入れをしておき、頃合いを見計らって焼き色をつけて売るからとか・・・
火入れをすると長期保存が利くといっても、やはり時間の経過と共に香りは
抜けていきますからね。
因みに、うちは生産者から買った海苔を直ぐに火入れをし、焼きたてをパックしているようです。
また、この業界では”新海苔”の定義が曖昧で、大手業者は2006/1-12に取れた海苔を袋詰めするそうですが、
うちは今季2006年11-12に取れた海苔しか袋詰めしないとのことでした。
何度もくどくどと、長くなってしまってすいませんでした。
色々教えていただき、有難うございます、すごく勉強になります。
大手は嫌ですね~、海苔を買うなら、小さなお店の方が良心的なのですね。
(自ら買うときは、信用できるお店にしようと思います)
のり勝さん(0439)は、どちらにあるのでしょう?
因みに、うちは小売りのお店ではありません。小さな工場ですよ~
また、新海苔の袋に入れるのは、2006/11-2007/5迄の海苔だそうです。
姉の代になって、変わったようです(汗
今、Google Mapで、富津の住所を入れて、拡大したら、「松本や 勝のり店」と表示されましたよ、有名なお店なのですね。
私が築地で買った「千葉県産青まぜ」は、勝のり店のものかも知れません。
5月まで新海苔を作ると言っても、取れ立ての海草で作るのでしょう?
それだったら、問題ないと思います。
hatchma家にも、ご実家から送られてくるのでしょうね~、海苔屋さんの親戚があるって、いいですね。
う~ん、全然わかりません。
海苔を焼く機械、hatchmaさんの方が詳しいかも。
http://www.e-nori.com/
ここなんか、海苔の製造・販売だから、メールで連絡すれば、
何か教えてくれるかも(わからないけれど)