浅草田原町「やっ古」

浅草に行きたい店があるとの先輩の言葉で、都営浅草線に乗って、浅草に向かう。
浅草に着いてから、「どこのお店に行くの?」と聞くと「やっ古」とのこと。
やっ古」は、江戸時代から続く鰻屋さんで、私は全く知らなかったが、Mixiのお友達である方が推薦したことで、「一度行きたいな~」と思っていたのだ。
(浅草は、鰻屋さんが結構沢山あり、前川、色川、初小川とか、小柳、川松、色々名前を聞くが、「やっ古」の名前は余り出てこない。知っている人は「通」だと思う。)

「やっ古」は、田原町と言っても、地下鉄の田原町とはちょっと離れていて、国際通りから、雷門通りに入ってすぐ右側。
私は、何度も何十回も何百回となく、この前を通っていたが、全く気づかなかった。
江戸時代からのお店と言っても、ビルの一二階にあって、鰻屋さんとしては、相当大きい方だと思う。
d0063149_2152251.jpg中は、大正ロマン風とHPには書いてあったが、一般の所謂鰻屋さんとは一線を画す作り。
仲居さんたちも、着物の人が多いし、男の人たちは、皆、白いワイシャツにチョッキ姿で、ここらへんも、古めかしくて、懐かしい感じ。

ソファの背に、短いけれど、白い清潔なカバーがかかっていたり、ステンドグラスやランプで、落ち着いたムード。
(浅草で、中年以上の人を案内したら、落ち着いて話はできるし、喜ばれると思った。)
案内されたのは、4人用のボックス席で、これまた、昔懐かしい。
で、先輩がセットを頼んでくれた。
私はダイエット中であったが、「え~い、ここまで来たら、潔く、美味しいものを沢山食べよう。明日から、2日、肉と油を抜いた食事をすればどうにかなる」と、決心した。

d0063149_21525399.jpg最初は小鉢。
左は、子持ち若布に、柿のつぶしたものを混ぜた味噌が乗っている。
右は、昆布〆した鯛を細切にして、たらこをまぶしたもの。
最初、たらこまぶしの魚がわからなくて、配膳の人に聞いたら、「厨房で聞いてきます」とのこと。
こういう細かいことを聞き出すと、全然、だめみたいだが、そんなことを聞くべきではない店だと思った。
出てきたものをおしゃべりしながら、美味しく食べるには、とても良い店だと感じた。

d0063149_21531970.jpg次が、お造り、三種盛り。
まぐろがぬめっとしていて中々美味しかった。
後の二つは、一つが鯛とわかったが、皮を剥いだ後が茶色いものが良くわからなかった。でも、配膳の人に聞いても、厨房に聞きに行くのは手間だろうと自分で考えたのだが、きっと、鯛の昆布〆に違いないとわかった。

次は天ぷら。
お~、お刺身に天ぷらに最後は鰻重なんて、私としてはとても豪華!
天ぷらは、カラリと揚がっていて美味しかった。
揚げ物を食べるなんて、何ヶ月振りだろう、やはり、揚げ物は美味しい!としみじみ思った。
しかし、けちをつけて悪いけれど、何故か、天汁が美味しくないのだよね~。
何でだろう、このお店、天汁が美味しければ、全く文句ないのに、惜しい。

d0063149_21534611.jpg次に、茶碗蒸し。
わ、お刺身に天ぷらに、茶碗蒸しで、鰻重。
きゃ~、日本の幸せ、東京の幸せだわと、嬉しくなる。(と同時に、明日から3日は、油・肉抜きを秘かに決意する。)
この茶碗蒸し、中に、ホタテの戻したのが入っていたのがわかった、後、味が余りない、やはり乾物を戻したものが入っていて、これは、フカヒレかな?と思ったのだが、全然自信はない。この茶碗蒸しも美味しかった。

d0063149_2154141.jpgさて、さて、次は、お楽しみのうな重登場。
うな重は、皆、どうやって食べているのだろう?
私はこの写真のように、二枚の場合、手前の蒲焼の真ん中にずずずっと箸で真横に線を入れてから、左端から、食べよい大きさに蒲焼に箸を入れて、切って食べていく。(たぶん、スタンダードな食べ方だと思う。)
そして、手前の残った半分の端に端を入れ、真横に切ってから、次の行に進んでいくのだ。
で、ここの鰻重は、今まで味わったことのない「変わった美味しさ」であった。

最初の手前左側の一口が、全く美味しくなかったのだ。
ご飯も鰻も熱々だったが、ご飯は固め、鰻はバリバリ(端っこのほうだったせいもあるけれど)、たれはとても薄くて、口に入れた途端、この三つがハモラないのだ。
それぞれに雑音を出して、全然美味しくない。

たれは、甘みを余り感じないところが好みだったが、何せ薄くてさらさらしている。
思わず、「味が薄い」と感想を言ってしまったのだ。
え~、こんな薄味で、ご飯とたれと蒲焼がマッチングしないうな重、食べたことがないと思いながら、手前一行目を食べ終わる。

が、不思議なことに、二行目の一口目から、「あら、美味しい!」と感じ出したのだ。
どうも、最初の一行4口で食べたうな重のたれとうなぎの油が舌の上や口の中に膜を作ったのかも知れないが、二行目からは、その舌や口の中の油とたれの膜の上に、更なる鰻の油とたれが乗るせいだろうか、味がちょうど良くなりだしたから、不思議。
それに、鰻も外はばりっと焼かれているが、中は、ふわっと柔らかく美味しい。
鰻重を横に四等分して食べるとすると、3/4は大満足、最後までしつこくなく、飽きずに美味しく食べられた。

そうか、初めから「美味しい!」と感じるたれの濃さだったら、最後飽きてしまうかもと思った。(化学調味料を使った、一口目から「美味しい!」と言わせる料理を思い出した。)
初めは、「お水みたいなたれ使って~」と思ったが、それは大きな誤解であった。
口の中の味の変化が楽しめて、中々楽しかったし、美味しかった。

一口にうな重と言っても、養殖か天然か、さっぱりしているかしつこいか、たれが甘いか甘くないかくらいしか、関心がなかったけれど、こういうたれの濃さで、「自分たちが美味しいと思ううな重」の設計をするというのが心憎い。

ここのうな重は、江戸時代からの味なのかは不明だけれど、一度食べてみる価値があると思う。(最初美味しくないのに、途中からとても美味しくなるところ)

この後、水菓子をいただいて、終わり。
久々、美味しいものを沢山いただいたことで、お腹がはち切れそうに感じた。
しかも、最初がビールで、その後、熱燗を呑みながらだったので、気分も最高。
お腹は、殿様がえるだっけ、お腹が膨れて割れそうになるかえるを思い出しながら、御徒町までタクシーで帰る先輩に家の近所まで乗せて行ってもらった。
家に着くなり、殿様がえるは、そのまま気持ち良く眠ってしまった。
途中、一度目が覚めて、コンタクトをはずしたが、また、そのまま眠ってしまい、気がついたら、13時間も眠っていた。(笑)
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by mw17mw | 2006-10-26 22:01 | 飲食店・菓子店 | Comments(0)