栗の渋皮煮 2/2
2006年 09月 27日
私は、この井上流がやりやすかったし、何せ、栗の渋皮煮を作る作業を、一日で完成させるのではなく、二日に分けて作業できるところがとても気に入っている。
さて、この後、甘みをつけていくのだが、これも基本的には、井上さんのやり方でやってみたが、お砂糖は、栗の渋皮煮のレシピに、「グラニュー糖が美味しい」と書いてあったので、グラニュー糖にした。
まず、重さを量ると、760gくらいだった。
最初栗は、皮つきで、700gであったのだが、その後2つくらい中が茶色くなっていることがわかり、捨て、鬼皮を取った時点で計っておけば良かった。
多分、数度煮たり、一晩お湯に浸けておいたのだから、相当、水分を吸っていると思う、3割か、4割増しかな~?
で、ここでちょっと勘違いをして、砂糖は、重さの30~50%と覚えていたのに、「もしかして、最初の重さの30~50%だったけ?」と思ってしまったのだ。→200gの砂糖を使うことにした。
だから、栗がかぶるくらいの新しいお水に替えて、火をつけ、200gのお砂糖を1/3ずつ入れては、10分ずつ煮ていった。
この段で、一晩置いた。
翌朝食べてみると、やはり、甘さが少な過ぎる。
この時点で、井上さんのメールを読み直したら、水で茹で上げ、モロモロを完全に取ったときの重さが基準であるとわかった。
しょうがないので、再び火をつけ、100gのグラニュー糖を足して、再度10分くらい煮て、半日くらい置いて、冷めたら、出来上がり。
(写真一番手前の栗にぽこっと小さい穴が開いているの、わかりますか?これは味見のために竹串を刺した跡です、やはり、竹串は刺さないほうがいいかと思います)
今度は、程良い甘さになった。
しかし、甘さが決まったら、果たして、こんなさらさらの蜜で良いのだろうか?という疑問が頭に浮かんだ。
もしかして、本式に作るには、一旦栗を取り出して、サラサラの砂糖液を蜜のようにどろっとさせて、そこに渋皮煮を入れるべきではないか。
(インターネットの和菓子屋さんのレシピは実際そう書いてある)
でも、面倒なので、やめた。(笑)
で、出来上がった渋皮煮なのだが、とても美味しい。
砂糖水が、栗の中まで程良くしみこんでいるのだ。
栗の風味もする。
しかし、食べている間は、全く渋を感じないのに、食べ終わった後、本当にちょっとなのだが、舌に渋を感じた。
不愉快ではないのだが、「渋」を確かに感じたな~と思った。
面白いことに、次の日になると、その渋が薄くなっていた。
きっと、栗の渋は、液体に浸けておくと、液体の方に流れていくのかも。
(一概には言えないけれど、多少渋が残ってできたら、2,3日冷蔵庫に保存しておけば、大分、渋が抜けると思う)
さてさて、来週、井上さんと、お互いの栗を食べ比べるのだ。
どっちが美味しいかな~。(自信はないけれど)
<おまけ>
これは、渋皮煮の断面図。
栗の実に、砂糖水が染み込んでいるのがわかる、この状態が美味しいのだと思う。
水で茹でている時は気付かなかったが、栗の実は、内部に皮があるのだ。
それが栗の渋の色がついて、歌舞伎の連獅子の「隈取り」のような模様になっている。
この皮は、栗が新しいと柔らかくて薄いが、栗が古いと固く厚くなると思う。
私が甘露煮をうまく作れないのは、きっと、小さい栗でしかも古い栗を使ったため、茹でると、この皮に沿って割れてしまうためだと思った。
渋皮煮は、手間はかかるけれど、渋皮が守ってくれるから、実が煮崩れ難く、その分、造りやすいと思う。