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天性の「美味しい!状態に執着心」がある東京下町に棲息するおばさんのお料理・お菓子・道具・食材の他、散歩の記録を綴った日記です。by真凛馬


by mw17mw
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いづうの鯖寿司

(最近、京都の食べ物の話が多くてすみません)

いづうの鯖寿司_d0063149_1912248.jpg上野松坂屋の「京都老舗展」をこの前の火曜日までやっていて、とうとう「いづうの鯖寿司」を買ってしまった。
光り物好きな私としては、いつかは一度は食べなくてはと思っていたので、清水の舞台から飛び降りてみた。(笑)←だって、半端じゃなく高いから。
いづうの鯖寿司は、京都の老舗の鯖寿司として有名だけれど、「やたらに高い」のでも、有名。
半本6切れで2205円もする。

もしかして、物産展の最終日の午後は、ディスカウントされるかもと期待を持って、最終日に行ってみたが、無駄であった。

家に帰って、昼ごはんと夜ご飯に半分ずつ食べてみた。

昆布に巻かれているけれど、昆布を外して食べるよう書いてある紙が入っていた。
昆布を外して食べると、やたらに酸っぱく感じた。
「う~ん?京都の鯖寿司って、保存食として作られたから、こんなに、何もかも酸っぱいのかしら?」と思った。
酸っぱいと言っても、梅干のような酸っぱさではなく、甘味にも旨みにも増して、お酢の味が勝っているような...。
そうそう、「酸っぱい」ではなく、「お酢の味が勝っている」味。
清酒で言えば、淡麗辛口というのか、甘さが少ないと感じた。
へ~、関西でもこういう味付けするのかと思ったのは、大きな間違い。

三切れ目で、ようやく、私の舌がお酢の味に慣れたのか、ご飯の甘酢とか、鯖の味がわかるようになったみたいで、本来の「いづうの鯖寿司の味」がするようになった。
決して、酸っぱいだけのお寿司ではなかった。
寿司飯も程好い甘さで、鯖はきつめに〆てあるけれど、決してお酢は強くない。
そして、昆布の味も感じるようになった。
全体のハーモニーが上品。
でも、それなのに、何で、最初、あんなに酸っぱく感じたのだろうと思ったのだが、巻いてあった昆布が、酢昆布のように酸っぱい匂いを発散していたのだ。(この昆布も勿体無いので、他のだしを取った昆布と一緒に冷凍した。)

私にははじめての味だったので、最初、私の鼻と舌は、酢昆布で麻痺してしまったようだ。
高いお寿司なのに、初めの二つは無駄になってしまったような感じ。

三切れ目から、「さすが京都」という感じはした。
食べれば食べる程味がわかるような、奥が深い感じがした。

でも、このお寿司は、美味しい、不味いではなく、昔ながらの京都の鯖寿司の味はどんなものかを味わうことに価値があるのかも知れない。

今回、昆布を巻いていない鯖寿司を食べたので、米吾の食べられる黒い昆布を巻いた鯖寿司も、白板昆布を巻いた大阪風のバッテラも、当たりが柔らかく、食べた途端、昆布と寿司飯と鯖のハーモニーで、食べ良いというか、昆布の旨みと甘味を全面に出していることがわかった。

色々な地方の鯖寿司食べ比べると面白い。

私の好みとしては、もうちょっと、鯖の脂を感じるような野卑な鯖寿司の方が好みかな?
とも思うが、このいづうの鯖寿司を食べ込んだら、離れなくなるかも知れないとも思った。
しかし、お値段の関係で、私の場合、それは有り得ない。(笑)

いづうの鯖寿司_d0063149_19102169.jpg今回のいづうの鯖寿司で、食べた途端、「こりゃ、美味しい」と思ったのは、実は、添え物の「生姜の細切り(甘酢漬け)」。

調味加減もいいし、良いお酢を使っているし、生姜が国産で、生姜の良い味と香りがした、丁寧に漬けてあるのだろう。
こんなに美味しい生姜の甘酢漬けは、初めて。
(ま、高級なお寿司屋さんに行かないから、そう思うのかも←高級なお寿司屋さんに慣れている人は感激しないかも。)

だいたい、どこに行っても、こういう生姜の甘酢漬けなんて、似たり寄ったりで、大して美味しくないと思っていたが、これは違いました。

こういう細かいところが老舗の力、こだわりかも知れない。
(写真の左は、一緒に買ってきた乾燥実山椒)

う~ん、でも、コストパフォーマンスから言っても、もう東京の物産展で買うことはないと思う。
京都に旅行に行って、お弁当を買わざるを得ないときに、手が出る可能性はある。

あの生姜の甘酢漬けだけ、売ってくれると嬉しいのだが。(笑)

また、一度、いづうの鯖寿司を買ってしまうと、今まで高いと思っていた米吾の鯖寿司も安く感じられること。
これが良いことかも知れない。(笑)

<追記>
インターネットでいづうの使っている鯖について調べたら、日本海で獲れた鯖なのだそうだ。
いづうは秋から春先まで東京のデパートでも販売していることを考えたら、毎日そんなに大量の日本海で獲れた鯖を使っているのかしら、本当かしら?という気がないでもない。
(でも、9月に食べた鯖寿司の鯖は痩せていたから、本当に天然物なのだろう。)
そうしたら、「そうだ、鯖は、天然のものなのだから、旬とそれ以外で、美味しさが違うはずだ」と気付いた。
しくじった、どうせ食べるのなら、真冬の脂の乗ったぷっくりしたときに食べれば良かったのだ。
今回購入した鯖寿司の鯖が結構薄くてがっかりしたけれど、原因はこんなところかも。
皆様、一回試しに買おうというときは、真冬をお奨めいたします。
by mw17mw | 2006-09-20 19:27 | 飲食店・菓子店 | Comments(0)