昭和の大人の酒場-江戸一@大塚

土曜日の夜に、店の用があったのだが、急遽金曜日の夕方、片付いてしまった。
だから、土曜日の午後にお会いしたインターネットお友達の「大塚に呑みに行きませんか?」という誘いに乗った。
その方は、本当に昔からお酒呑みで、色々詳しい。
私はついていくだけであった、で、結局、三軒、はしごしてしまった。(笑)

d0063149_21504621.jpg一軒目は、大塚駅前の「江戸一」。
以前は、木造家屋だったが、今はビルとのこと。
土曜日は午後4時半に暖簾が吊るされ、それを合図にお客が店に入るとのこと。
私たちが大塚に着いたのは、4時半をちょっと回ったところ。
ガラっと、戸を開けると、コの字型の茶色い木のカウンターがお店の大半を占める作り、そして、殆ど満席の状態であった。(テーブル席はなし)

何と言うか、戸を開けると、そこは、茶色い昭和の世界。
そして、静かにざわざわとお酒を呑んでいる人々の声が聞こえる。
カウンターやカウンターの中の木の床が茶色いことから、昭和を感じるのかも知れないが、全体に流れている、そこにいる人々がかもし出す雰囲気にも「昭和の節度ある世界」を感じて、昔懐かしかった。

大きな声で話す人もいなければ、けたたましい笑い声なんて皆無、一人で呑みに来ている人も話し相手をお店の人に求めることもなく、自分ひとりでお酒を楽しんでいる。
何ていうのだろう、皆、お客としての分を守り、お店の人もお店の人としての分を守っている世界。
厳しい雰囲気は無いが、甘えん坊がいない、大人の世界かも。
もしくは、上品な分をわきまえた江戸っ子の世界かも。
(その時、携帯のカメラしか持っていなかったこともあったけれど、「写真撮っていいですか?」なんて、聞こうという気も起きなかった。)

何でも、昭和21年から続いている居酒屋で、今も80歳を超している女将さんが仕切っている。

このお店のことを検索したら、久本祐子さんという方のページに、簡潔に上手にまとめられていた。
そうそう、「凛とした居酒屋」なのだ、それにしても「凛という雰囲気」に接したのは本当に久し振りのような気がする。
料理研究家の中では、辰巳芳子さんが凛としているが、そういう意味では、この居酒屋の女将さんは、「居酒屋界の辰巳芳子さん」かも知れない。

お店の人に指示された席に座ると、20cm四方のお盆に、盃、醤油皿、お箸が乗ったものが運ばれる。
日本酒は、燗か常温のみで、冷はない。
壁に貼られた酒の肴から、好きなものとお酒を注文する。
見ていると、皆、ビール、日本酒などを程好く飲んで、さっさと帰る感じ。

色々酒の肴を取って、お酒を頼み、おしゃべりしながら、呑んでいたのだが、どうも、隣の人が、「かつおの刺身、からしで」と注文した時点で、気になった。
おや、江戸っ子のおじさんだねと思う。(江戸時代、鰹は、からしと醤油で食べていたそうだ。)
その江戸っ子のおじさんは、かつおの刺身でお酒を楽しんで、さっさと帰って行った。

連れて来てくださった方が、「ここには、表メニューの他に裏メニューが沢山ある」と教えてくれたので、「たたみ鰯」と頼んだら、出てきた。
でも、次に隣に座ったおじさんは、「焼きたらこ」を頼んでいた。(勿論これも裏メニュー)
そうすると、真ん中が少しレアの焼きたらこを3cmくらいに切ったものが数切れ運ばれてきた。
うわ~、美味しそう。
私はこの時点でお銚子3本くらい呑んでいて、もうこれ以上はいいという状態で食べられなかったが、今度来たら、絶対、焼きたらこでお銚子だ~と思った。
そんなの田舎っぽいと言われるかも知れないが、焼き海苔も頼んで、たらこだけで食べたり、焼き海苔に巻いて、お酒の肴にしたら、美味しいだろうな~。

他色々食べたが、特段上等なものではないけれど、真っ当なものでした。
でも、私はどうも「かつおの刺身をからしで」というのと「焼きたらこ」が食べたかったみたい。(笑)

このお店は食べ終わったお皿やお銚子を下げないで、自分の前に重ねておくシステム。
「お勘定」というと、女将さんが、五つ玉のそろばんを持ってきて、計算してくれる。
最後の最後まで、レトロなお店であった。

でも、希少価値で素敵なお店だと思う。
ただ、ここのお店は、お店が客を選ぶと思う。
別に誰でも入れるけれど、二度目からは、この凛としながら静かにざわめいている雰囲気
に安心感を感じ、その雰囲気の中の一員でいることに癒しを感じられる人しか来ないと思う。

江戸一
豊島区南大塚2-45
平日は17時~22時
土曜は16時30分~21時30分
日曜定休
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by mw17mw | 2006-08-08 21:56 | 飲食店・菓子店 | Comments(4)

Commented by 大外郎 at 2006-08-09 05:05 x
「初鰹 銭と辛子で 二度涙」っつーぐらいですからね。
うちは母方が紀州の出で、あちらの方も辛子醤油で食います。
辛子ベタベタ塗った刺身をご飯に乗せて、熱い湯かお茶をかけ回して霜降りにして
醤油入れてお茶漬けにしたりします。

江戸一は昔からのあこがれの店ですが
職場からも行きやすい割にまだいったことないんですよねぇ。
うらやましいです。

Commented by mw17mw at 2006-08-09 17:50
うわ~、からし塗ったお刺身でお茶漬けって、すごいですね、一度食べてみたい。
一度で嫌になるか、病み付きになるかでしょうね?
でも、良くご存知でしたね、私はからし醤油で食べるものかと思っていたのですが、隣のおじさんの空いたお皿見ていたら、お醤油がきれいなままだったので、「かつおに塗ったのだ」とわかりました。

江戸一、行けて、連れて行ってくださった方に感謝です。
でも、一見さんお断りではないし、思い切って入るといいと思います。
(大外郎さんって、お勤めしてるのですね、すごいですね、趣味に仕事に大活躍)
Commented by 大外郎 at 2006-08-09 19:52 x
>一度で嫌になるか、病み付きになるかでしょうね?
嫁さんは食えません、これ。
好き嫌いきっぱり分かれそうな食い物の1つです。
同じカツオ+ご飯ものでも、てごね寿司は嫁さんも食えるんですけどね。

>大外郎さんって、お勤めしてるのですね
してま~す。
どこかですれ違ってるかも知れません。
何を隠そう数年前、ブックオフで本を買う話題が出るたびに
「あ、そんなのあったのか」とか「あれ買われたか~」とか思ってましたから(笑)
Commented by mw17mw at 2006-08-10 11:51
>大外郎さん
やはり、真似して試すのは、やめておきます。(笑)
でも、怖いもの見たさという言葉も、私の辞書にあるな~。(笑)

大外郎さんは、本当に幅広い趣味でしかもお勤めまでなさっているなんて、尊敬してしまう!
でも、もしかして、趣味と仕事が重なっているのかな~?
それだったら、余計羨ましいです。