初台でランチした日は殆ど一日雨で、タス通信も雨の中を歩いて見に行った。
ところで、よし田でのランチの主な話題は、最近家族で金沢にいらした品川Iさんの旅行の写真。
金沢は、京都よりコンパクトで回りやすく、古い物が沢山残り(何でも全く戦災にあってないとのこと)、美味しいものや工芸品が沢山ある上に、現代アートの美術館もあって、充実していて、とても良かったとのこと。
二泊三日の写真の中には、風景とか建物の写真も沢山あったが、食事の写真の他、甘味や和菓子がとても美味しいとのことで、その写真が多かったのだ。
何でも、金沢の甘味は本当に美味しいとのこと。
そんな話を聞きながら、甘味の写真を見ていたら、よし田の後は、あんみつが食べたいという気になってしまった。(笑)
で、初台に甘味処も喫茶店も余りないとのことで、品川Iさんが、「う~ん」と考えてくださって、とりあえず、雨で歩いて行くのが無理なので、京王新線に乗って、新宿まで戻ることになった。
で、そこで、選択肢は、「果実園か、
時屋というあんみつやさん」と言われ、果実園は昨年行ったし、フルーツ沢山というイメージがあったので、「果実園にフルーツあんみつがあるのなら、果実園」とお願いしたが、果実園であんみつを見たことがないとのことで、だったら、行ったことのない時屋の方が、私のブログネタになるだろうからと、そちらに向かった。(本当に、すごく良いブログネタであった。)
場所は、小田急ハルクの中だとのことで、京王新線の新宿駅から小田急ハルクまでの入り組んだ通路を、品川Iさんの後ろからついていった。
小田急ハルクには着いたし、案内板の一階に「時屋」と確かに書いてあるのだけれど、店内を見回しても、お店は見当たらない。
品川Iさんは、子供の頃とかずっと昔来たことがあるという記憶を辿って、ハルクの外に出て、駅と反対の方向に歩いて行くと、「時屋」があったのだ。
どうも、ハルクのビルの中にお店はあるのだけれど、入口は外からのみで、ハルク店内からは入れないお店であった。
下の画像は、お店の左半分だけで、真ん中の甘味処の入口の右側には、レジと、このお店の名物であるどら焼きの見本の入ったショーケースと売り場がある。
うわ~、何だ、この新宿駅前にあるレトロな古臭い甘味処は?
それも、小田急百貨店ハルクの表側に、この昭和感って、どう理解すればいいの?と、想像もしていなかったお店の外観にびっくり。
浅草だって、こういう甘味処はもう殆ど残っていなくて、しいて言えば、ひさご通りの初音茶屋とか、千束の三島屋が同じ系列の昭和感を感じたが、この時屋さんは、何しろ、端っこの方とは言え、新宿駅西口すぐの表通りにあるからか、それでも、裏ぶれ感が少ない気がした。
食品サンプルも沢山並んでいた。(半分は、時屋という布で覆われていて、良く見えなかったが。)
中に入っても、やはり、昭和そのものの店内。我々は、何時に入ったのだろう、何だか、中途半端な時間に入ったらしく、とても空いていたが、それから30分もしないうちに我々がそろそろ出ようかとした頃から、どんどん人が入って来て、ほぼ満員になった。(主に家族連れ?)人気のあるお店のよう。
茶色いテーブルと椅子で、「本当に、昔に戻ったみたい」とか「昭和時代の映画を作るとき、ここだったら、ロケできる」と話していたのだが、その時、「リーンリーン」と電話の音が聞こえて来た。その音がどう聞いても、最近聞き慣れている今どきの電話の呼び出し音ではなく、昔懐かしい黒電話の甲高いリーンだったのだ。全員、「わ、懐かしい、昔の電話の音、久々に聞いた」と感激。(笑)何だかな~、何もかもレトロと思ったが、最後、レジは消費税の関係か新しかった。
(ただね、食べ物の話には向かないのだけれど、おトイレに行ったら、一見様式なのだが、良く見たら、和式のトイレを洋式に変換するものが上に乗っていたので、びっくり!この和式を洋式に変換する器具って、昔たまに見たことがあったけれど、こんな新宿駅前で未だに活躍しているなんて、びっくり!ただ、おトイレはきれいだし、それでも問題は全然ないのだけれど、不思議な感じ)
でもね、店員さんは、ほぼ若く、感じの良い20代の人ばかりであったが、20代の女性店員さんにお金を払うとき、「このお店は、いつ創業したのですか?」と聞いたら、バイトの人なのか、「え~、わかりません」と言われてしまった。(後で調べたら、このお店は、創業1948年という終戦から3年目の創業という古いお店らしい。)
メニューは色々あった、あんみつ類、かき氷、お餅類、どら焼きとお茶とか。
私は、白玉クリームあんみつ。(ドロールさんは、クリームあんみつだったので、写真を撮らず)
昔風かと思ったら、フルーツと書いていないのに、通常の(あんみつの具の他、バナナ、クリ、キウィが乗って来たので、その点、あんみつに関するセンスは新しいと思った。(ま、これで840円だからもあるけれど
白玉も小さいものが沢山乗って来てうれしかったのだが、食べてみると、全部柔らか過ぎて、残念。
でも、白玉はちょっとダメだったけれど、その他は十分美味しかった。
こちらは、品川Iさんの、クリーム豆かんかな、?これでもかという赤えんどう豆が素敵。
混み出す前に、私たちの隣のテーブルに10人近い家族三世代という感じのおじいさん、おばあさん、おかあさん、孫みたいなグループが座ったのだが、見るとはなしに見ていたら、小学生低学年くらいの女の子たちに、白いおにぎりセットを取ってあげていた。
このお店では、小腹ふさぎはおにぎりなのだと、新鮮な発見。
我が家の方の甘味処だったら、おにぎりではなく、おいなりさんとか海苔巻き、お赤飯かなと思う。
(あ、そうそう、八重洲のおかめでは茶飯の大きなおにぎり出していたっけ、あれは美味しかった、大好き)
やはり、台東区と新宿区は離れているから、同じ「甘味処」でも長い歴史の中で、細かいところが違ってくるのだろうと思った。
また、この時屋さんのどら焼きは、特大、大、中、小だったかの大きさの違うものが売られていた。
そして、何でも、藤子不二雄プロダクションが昔は西新宿にあったので、ドラえもんの好物であるどら焼きはこのお店のどら焼きと言われているそうだ。
我が家の方では、どら焼きは、結構老舗が多くて、どら焼き一筋とか、どら焼き以外を作っても和菓子程度?甘味処まで手を広げるお店はなかったように思う。(何となく、どら焼き屋さんは結構格式を大切にするみたいなイメージ)
この時屋さんのどら焼き、どんなものか買ってくれば良かった。
何だか、思いもかけない新宿駅西口の真ん前で、甘味処の昭和レトロ感を味わえて、楽しかったし、美味しいあんみつを食べられて、満足であった。
こんな昭和レトロな甘味処が新宿駅西口の結構目立つところに残っていて、多くの人に愛されていることがわかって、嬉しかった。
品川Iさん、良いお店を紹介してくださり、ありがとう。