ずっとずっと昔、家庭画報だったか、dancyuだったか、歌舞伎界の有名な役者さんの奥さんが、夏の暑い季節だったかのお昼ご飯、忙しい時や食欲のない時、さらさらと鰻の佃煮でお茶漬けをするとかを読んでから、ずっと食べたかった。
でもね、鰻の佃煮自体売っているところが少ないし、あっても高いのだ、高級牛肉並みのお値段。我が家の方だと、上野駅の反対側、東上野の鮒藤商店?それと、日暮里駅北口の中野屋かな?
そういう鰻の佃煮のお店に入りたかったけれど、中々は入れなかったが、従姉たちと行った北千住の鮒秋さんには集団で中に入ったので、50gでも良いか聞いて、買うことができた。(千円)やはり、佃煮の中でダントツに高い。
家に帰って、器に開けた50gの鰻、5㎝×3㎝くらいの鰻が5切れと、生姜とたれが結構沢山入っていた。かじってみると、固くて、しょっぱくて、鰻っぽくなかった。というか、私は今まで鰻の蒲焼ばかり食べていたから、鰻=ふわっと柔らかいと頭にこびりついているみたい。鰻の佃煮はじっくり甘辛いたれで煮るせいか、結構硬くて、醤油の味が良く浸みている感じであった。(ということは鰻の旨みは、たれの方に行っているのかも知れない)
どう食べればよいかわからなかったけれど、昆布出汁を取り、温かいご飯に鰻の佃煮とわさび(チューブ)を乗せ、熱い昆布出汁をかけて食べてみた。鰻の佃煮自体に味が凝縮しているので、お湯をかけただけでは味が広がらず、これは、鰻の佃煮を煮詰めるのに使ったたれを昆布だしで薄めたものでお茶漬けにしたほうが良いと思った。その通りに、薄茶になった昆布出汁でお茶漬けにしたら、美味しくなった。ただ、このたれは多過ぎるとくどくなるので、薄めにするのがポイント、たれは若干甘いのだが、山葵を溶かすとわさびが良い仕事をしてくれ、甘さのくどさを抑えてくれる感じ?
それに、じっくり良く煮てあるせいか、鰻の油がくどくないのだ。
結局、一回目は、佃煮2切れを使って、たれ茶漬け、二回目三回目は、鰻の佃煮一切れでたれ茶漬け、それまで、たれの味でご飯を食べ、時々、佃煮を齧るという食べ方をしていたが、最後になって、「それだったら、最初から、佃煮を細かく刻んでたれ茶漬けの中に入れたらどうだろう?」とやってみた。結論から言うと、刻んで、たれ茶漬けの中に入れてしまうと、味がいつでも同じになってしまうので、お勧めではなかった。やはり、時々、固くて、しょっぱい鰻をかじりながら、甘ったるいたれのお茶漬けを食べる方が私の好みであった。
今回、4日続けて毎日鰻の佃煮茶漬けを食べたので、一応満足し、当分は買わないと思う。(笑)鰻の佃煮、高いけれど、味が濃いので、160gのご飯に一切れ(=200円)で十分だったので、そんなに贅沢ではなかった。買うときのポイントは、たれを沢山つけてもらうこと。(笑)
そういえば、私は、ひつまぶしを食べたことがないから、うなぎの蒲焼を出汁でお茶づけすることをしていない、鰻の佃煮のお茶漬けとひつまぶしの出汁茶漬けはきっと違うに違いない、そういう意味では、ひつまぶしを食べてみたい。
それから、Googleで、「鰻の佃煮」と入力すると、その後に、「東京」と「京都」が出てきた、どう違うのだろう、多分、京都の方が山椒味だったりするのかな?
そうして、鰻の佃煮の名店と言ったら、もしかして、京都になるのかも知れない。
昔、私が雑誌で見た歌舞伎役者の奥さんの夏の食欲のない時の鰻の佃煮のお茶漬けは、京都のものかも。