突然、広島の上質な牡蠣

昨年末の話を少し。

昨年の2月だったかに、人形町の小春軒の牡蠣のバター焼きがとても気に入ったのだ。
それもあるし、考えてみれば、牡蠣のお鍋というと、料理の本を見ると、「牡蠣の土手鍋」しか載っておらず、どうもこれは広島の食べ方のよう。
でも、私にとっては、牡蠣鍋というと、澄まし汁の中に、牡蠣と鳴門巻きと三つ葉、お豆腐(もしかして焼き豆腐)を入れたもの。
これを家以外で食べたことがあるかというとないのだ。
でも、北千住をフラフラ歩いていたら、古そうな小料理屋さんに「牡蠣鍋」という看板があり、きっと我が家と同じものではと思ったのだ。

で、小春軒のバター焼きがとても美味しかったこともあり、広島でも牡蠣はバター焼きで食べるだろうかとか、お鍋は土手鍋が郷土料理なわけで、私が美味しいと思っている東京風の牡蠣料理を広島Iさんが食べたら、「美味しいと思うだろうか」と興味が湧いて来たのだ。
何でも、産地のものが一番美味しいわけだけれど、例えば、京都みたいな海から遠い地域でも、料理法を色々研究して、獲れたての新鮮なものは使えなくとも、超一流の料理に仕上げたりところもあるわけで、東京の最高に新鮮な牡蠣が手に入らない地域の牡蠣料理も結構気に入ってもらえるかな~なんて、考えていたのだ。

でもね、広島Iさんは、冬の間は東京にいらっしゃらないようなので、秋にお会いした時に、何だか、私の口から広島の牡蠣に対する話が多かったみたい。
で、今年は、クリスマスの三連休に広島のお友達に東京を案内するとかで、クリスマスイブイブくらいに、いらしたのだ。
出発と聞いていた日の朝、広島Iさんからメールが私に入っていたことに気づかず、後から、「実は、広島空港で、あなたが広島の牡蠣に興味があるみたいなので、生牡蠣を買いました。その日中に渡したい」とのこと。
何でも、買ってから10時間は大丈夫という保冷剤付きの物を買ってくださったとのこと。

そんなの悪いとは思ったけれど、私が知った時は、もう買って東京へ向かう飛行機の中だったし、他の形でお礼することにして、有難くいただくことにした。
(考えてみれば、今、東京には色々な産地からの牡蠣が溢れていて、広島の牡蠣も食べているのだろうけれど、余り意識したことがなかった。)
広島Iさんは、東京に到着した後、夕方にスカイツリー方面に都営浅草線で行くとのこと、だったら、お言葉に甘えて、蔵前駅で途中下車してもらい、そこで受け渡しをしてもらうことになったのだ。

で、無事、蔵前で保冷バッグに入った牡蠣をいただき、家に帰って開けてみた。
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そうすると、この生牡蠣は、封を切った時に、海の香りが沢山周囲に拡がって、感激。
東京で買う牡蠣、特に剥き身の牡蠣で、海の香りのする牡蠣に最近ないような気がする。
こういう海の香り付きの牡蠣は東京にないわけではないけれど、殻付きの牡蠣を買って来て、自分で割ったことがあるのだが、その時には、同じような海の香りを味わえた覚えがある。
「うわ~すごい、さすが、広島」と思った。

また、牡蠣の剥き身一つひとつが崩れていなくてとてもきれい。
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いただいた牡蠣についていた注意事項を読むと、「広島県内の清浄海域で水揚げした通常『生食用』の表示で牡蠣を出荷していますが、全国的にノロウィルスが流行しているために、今回のみ加熱してお召し上がりいただければ幸いでございます」と書いてあった。
私は、生牡蠣も食べないわけではないけれど、生牡蠣信者でもなく、加熱した牡蠣の方が好きなタイプなので、後半の部分には興味が湧かなかった。

私がさすが広島と思ったのは、前半の文言。
以前から東京で買う「生食用牡蠣」は美味しくなく、買うなら加熱用と習って来たのだが、その説明を簡単にする。

生食用牡蠣は下記のどちらか。
1、保健所が「生食用に出荷してもいいよ」と指定された海域で獲れた牡蠣を規定にしたがい浄化漕で浄化処理した牡蠣。
2、もしくは、そうでない海域でも、保健所の規定にしたがい浄化漕で浄化処理した牡蠣。

すなわち、理想的な生食用牡蠣は1の方なのだけれど、東京で売られている生食用の牡蠣の殆どは、色々な消毒液なぞできれいにされた牡蠣と言われているのだ。
だから、東京のスーパーあたりで売っている生食用牡蠣は、実は薬品で生食で食べても問題のない品質にしているものだから、生食用の牡蠣は高いけれど、美味しくない、それだったら、加熱用の方が使っている消毒用の薬品が強くないからマシと言われていると聞いていた。

それが、今回広島Iさんが飛行機で運んできてくださった生食用の生牡蠣は、まともな清浄海域と指定された海域で獲れた牡蠣とのことで感激。
これは本当に東京では手に入らない。(ま、高級スーパーに行けばあるのかも?)

で、いただいた日の夜に、バター焼き、次の日のお昼に牡蠣フライ、最後残った2粒の牡蠣は、夕飯の味噌煮込みうどんに入れて、完食。
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全て美味しかった、プリプリ度とか、フリルのようになった黒い部分が崩れていないところがすごい。
ま、自分で作る料理としては、家庭で自分で作って食べるのなら、牡蠣フライが一番かな。
バター焼きの方が出来上がってから冷めるのが早く、他のことでてこずっていると、殆ど冷めたりするけれど、牡蠣フライは結構冷めないので、一人で作って一人で食べる人には牡蠣フライが良いと思った。(単純な料理だけれど、牡蠣のバター焼きは小春軒で食べるに限る。)
ま~、とにかく、堪能させていただきました、広島Iさん。

広島だって、売られている牡蠣が全ていただいた牡蠣の水準ではないだろうけれど、でも、行くところに行けば、こういう清浄海域で水揚げされたばかりの牡蠣を買えるところが素晴らしい。

やはりな~、本場の素材の良さ・鮮度に慣れた方に、東京の牡蠣料理を食べてもらっても、素材の鮮度では絶対負けるし、東京の名物は東京の人の舌に合わせているだろうから、満足してもらえるか自信がなくなってきたので、やめておくことにした。(笑)

広島Iさん、滅多に食べられないものを有難うございました、とても美味しかったです。

追記:そういえば、牡蠣の食中毒問題等怖いので、私の拙い知識のみここに書き込むことは危険と思う。
どんな牡蠣を食べれば安全かは、「http://kakipedia.blog.jp/2008/danger.html」のページなどに詳しいので、そういうページを検索して、正しい知識を仕入れた上で、自己責任で選んでほしい。

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by mw17mw | 2017-01-09 08:36 | 食材・食材のお店 | Comments(2)

Commented by DD at 2017-01-09 13:55 x
澄まし汁の牡蠣鍋というと「かきどうふ」ですかね。
Commented by mw17mw at 2017-01-10 08:51
> DDさん
表現悪くてすみません、かきどうふも近いかも。
イメージとしては、寄せ鍋の汁に、牡蠣、豆腐、三つ葉、鳴門巻きみたいなイメージです。
うちが貧しいからこうなったかもしれない気もしますが、そもそも江戸のお料理って、色々な味を混ぜるのを嫌い、単独の素材の味を楽しむものが多いと思います。(他に我が家にはイカ鍋があります)
それでも、出汁は、かつお・昆布でないと味が良くないです。(そんなに強い出汁である必要はありませんが)
大勢で食べて、牡蠣が入れば入る程、汁に牡蠣の味が移り込んで、その汁をご飯にかけて食べると素晴らしく美味しいです。