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天性の「美味しい!状態に執着心」がある東京下町に棲息するおばさんのお料理・お菓子・道具・食材の他、散歩の記録を綴った日記です。by真凛馬


by mw17mw

加熱処理していない、昔ながらの生醤油(なましょうゆ)

2,3か月前に、テレビ欄で「一子相伝の江戸前の佃煮屋」のドキュメンタリーがあることがわかり、「きっと、浅草橋の鮒佐の話だろう」と思って見たら、当たりであった。

鮒佐さんがテレビに出るって、私の記憶ではほとんどなかったのではと思う。
今回は、きっと時代が時代だから、老舗だからとか、目立つことは嫌い、制作現場は見せない(だって、一子相伝だもの)だなんていう昔ながらの理由で、テレビに出ることを拒否したら、それだけ、人目に触れずに埋もれたお店になってしまう危機感もあったのかも。
テレビに出て、色々な人に知ってもらい、認知されないと、新しい時代を生きていく跡継ぎもやる気が起きないかも知れない。

ということで、その番組を見たら、浅草橋のビルの何階かに厨房というのか、薪のかまどが二つある作業場があって、そこで、昔からのやり方で6種類の佃煮を毎日煮ていくのだ。(これは雑誌で読んだ覚えがある)
その時に、ちらっと、お醤油が映った、「ヤマサ」「生醤油」という文字が読める四角い缶だったと思う。

この番組で収穫だったのは、浅草橋の鮒佐は、ヒゲタではなく、ヤマサを使っているということ、息子さんが六代目として継ぐことになっていることがわかったこと。

実は、今年の4月に千葉県の成田や銚子の日帰り旅行で、ヤマサの工場に行ったときに、「甕仕込み醤油」という高いお醤油を買ってきたのだ。
(ヤマサの甕仕込み醤油については、このブログに詳しい)
それは、甕仕込みでしかも加熱処理していない生醤油(なまじょうゆ)で、開封したら冷蔵保存で30日後が賞味期限であった。
その生醤油で甕仕込みのお醤油は、その工場の売店でしか売っていないというか、東京では手に入らないとのことで、買って来て、使ってみた。
加熱処理していない、昔ながらの生醤油(なましょうゆ)_d0063149_12080607.jpg

どういう味かというと、とても軽いのが印象的な味。
やはり、お醤油は、火入れというか加熱することで、殺菌され、持ちは良くなるかも知れないけれど、うっすらくどくなるものなのだと感じた。
生醤油(なましょうゆ)は本当に軽くて、くどくなくてびっくり。(生醤油に関する説明は、このページに詳しい。)

そうか、浅草橋の鮒佐の佃煮のお醤油味って、本当に美味しいけれど、ヤマサの生醤油を使っているからなのだとわかった。
そうだよね、あの味と香りは、普通のそこらへんで売っているお醤油では出せないと思った。

また、先日、「じゅん散歩」の京橋編を見ていたら、桃六さんという和菓子屋さんで、ご主人が「うちの名物は醤油の団子、何といっても、生醤油(きじょうゆ)を使っているのだから」と自慢していた。
是非、ここのお団子も食べてみなくては。

(最近、ヤマサもキッコーマンも「生しょうゆ(なましょうゆ)」という名前の家庭用のお醤油を売り出しているけれど、それと、今回話題にした「生醤油(きじょうゆ)」は全く別のもの。昔からのお醤油の製法から火入れという工程を抜いた製法の「生醤油」(なましょうゆ)の話)

ヤマサのホームページで商品を見てみたが、浅草橋の鮒佐で使っているような生醤油は載っていなかったのが、不思議。
by mw17mw | 2016-10-14 22:55 | 調味料 | Comments(0)