浅草駅界隈−弁天山美家古寿司のお寿司セット

年末も本当に押し迫った28日に、ネットで知り合ってもう十年以上、年に数回一緒に食事に行く関係の、私より20才くらい若い男女二人の友達と、弁天山美家古寿司に行こうということになって、予約を取ったら、「テーブルなら可能」ということで、全員仕事を納めた後に忘年会。
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結論から言って、私は、弁天山美家古寿司の丁寧な仕事が気に入った。
ネタは全て何らかの処理が施されているわけだけれど、ほとんどのネタは、何がしら手が施されたことで味わいが深くなっている感じがした。

しかし、私は、2万円以上の超高級店は勿論行ったことがないし、今回7千円の握りだったのだが、所謂高級な寿司屋の中ではそれはそんなに高くないとも思うのだけれど、それでも、7千円のお寿司も今まで食べた経験もない人間なのだ。
だから、そういうお寿司を食べ慣れた人とは、このお店の評価が違って当然だと思うし、私の評価が正しいかどうかも良くわからない。
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メニューを見ると、お任せが、2万円コース、1万円コース、その次に「お寿司」というくくりがあって、一番安いのが、5500円の握り10カン、次が7500円で、握り12カンに巻物というものが続く。
その他というのに、2千円とか3千円のお寿司もあるみたいだが、5千円以上とどう違うのか良く分からないまま、男性のIさんは何度か弁天山美家古に来たことがあるとのことで、彼のお勧めに従い、握り12巻に巻物にすることにした。

Iさんの話では、最初に「握りは普通のでいいですか?」と聞かれるとのことだったのが、今回は聞かれず、ごく最近の握りとしてはスタンダードな小振りなものが出てきた。

弁天山美家古さんは、昔風のお寿司の伝統を大切にしているとのことで、「握りも昔風にしてください」と頼めば、大きいものが出てくるのかな、それも見てみたい気もしたが、そんな大きな握りが12カン出たら、残してしまいそう。

(そして、ここのお寿司は皆ネタにお醤油で食べるものには、煮切り醤油、甘辛いたれで食べるものにはつめが塗って出てくるので、醤油皿も出てこないし、醤油もテーブルに置いていない)

このお店で最初に感激したのが、握りを口に入れると、噛まないのに、ご飯粒一つひとつが勝手にほどけることだった。
高級な寿司屋の握りは、口の中でご飯粒がほどけると耳学問で聞いたことがあったけれど、これがそれなんだと感激。
箸で食べたのだが、箸で持ち上げて口に入れるまで、崩れることもなく、口の中に入れると、ご飯粒がほぐれるのだ、不思議!
しっかし、安い握りと高級な握りと何が違って、ほぐれたり、ほぐれなかったりするのだろう。
(ご飯の味わいで感じたのは、ご飯粒一粒ひとつぶに、しつこくはないのだが、普通よりほんのちょっと厚く甘酢が均等にコーティングされているように感じたが、これがコツか?)

そして、弁天山美家古さんという江戸時代からのお寿司屋さんは、冷蔵庫がない時代、ネタが傷まないように、全てのネタは、生のままではなく、煮たり、酢〆、昆布〆したりなど何らかの処理をするという手法を踏襲しているお店。

だったら、ここのお寿司を食べると、幼い時に食べたお寿司のネタを思い出すかというと、そんなことはなかった。
(私が幼いころ食べたお寿司はきっと今の標準のお寿司より江戸時代に近かったのではないかと思う、思い出しても、煮イカ、煮た海老、煮たたこ、伊達巻きの薄いような玉子とか、かんぴょう巻き、まぐろも赤身だけだったような気がする。)
やはり、ここは昔からずっと高級店で、我が家が出前を頼んでいた街場の寿司屋とは一線を画してきたのだと思う。
そして、私は殆ど高級な寿司店に行ったことはないのだが、大トロ、中トロ、いくらにウニが人気の今風の生魚を多用したお寿司とも一線を画しており、弁天山美家古のお寿司は、弁天山美家古だけのものという印象。(見た目は地味)

まずは、6カンが運ばれてきた、上左から、確か、ひらめの昆布〆、小肌、真鯛の昆布〆、下に行って、左から、赤貝、とり貝、かじきの漬け。
ひらめの昆布〆だけごく普通に美味しいという感じがしたが、後は全て食べ込んでいると、皆奥深い味がしてとても美味しかった。
やはり、その素材の味を引き出す下処理をしているということだと思った。
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また、上の画像の右に、ガリが写っているが、この自家製の薄く切ってあるガリと思われるものが素晴らしく美味しかった。
(ガリの薄さも美味しさのうちだった。)

ビールが二本目になったときだったか、煮イカのお寿司には使わない切れ端がサービスされた。
当然、これも美味しい。
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で、次の台には、上左から、煮た細巻き海老、次は確かキス、まぐろの赤身の漬け、下に行って、白く煮上げた穴子(江戸前の手法とのこと)、玉子焼き、煮いかが乗っていた。(上段は醤油味、下段は、甘辛い味で食べる)
煮た海老は美味しいけれど、普通に美味しいという印象、後は、最初の台と同じで、噛めば噛むほど、味が出てくる感じのネタ。
また、厚い玉子焼きには、ほんのちょっとでんぶが塗ってあり、甘さに甘さを重ねてはいたが、ほんのちょっとだし、口の中で変化があるので良い効果を出していた。
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巻物は、鉄火とかんぴょう。
鉄火は普通に鉄火という感じ、鉄火にわさびが塗ってあるのは普通だから、何とも思わなかったが、かんぴょうの巻物の中にほんのちょっとわさびが忍び込んでいて、そのわさびの風味とかんぴょうの甘辛さが絶妙に合っていた。
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このお寿司の7千円が高いかどうか、私には良くわからない。
ただ、お店はそんなに大きくなく、満員になっても20人は入れないスペースだし、手間暇かけて下処理を施す丁寧なお寿司は、多くは作れなさそう。

また、行く前に弁天山美家古寿司のHPの歴史のページの下の方を見たら、5代目、6代目、女将の名字がすべて違うことを発見。
そうそう、私はこのお店、内田栄一さんという4代目の「嫁そだて味しこみ」という本で知ったのだが、5代目は跡を継いだものの、子供が女の子だけだったのだ。
そして、その女の子が大人になって、お寿司とは関係のない普通のサラリーマンと結婚したという話を聞いていた。
だったら、このお店は今後誰が継ぐのだろう、そのサラリーマンの旦那さんが脱サラしてくれるのかと心配していたのだ。
そうしたら、HPによると、多分、5代目の奥さんが亡くなられてからか、お嫁に行った娘さんが女将さんとなられ、6代目には、他人である若者が入ったみたい。
それは良かった、良かったと思った。

今となって後悔するのは、2年前に断捨離を行ったとき、「今後はお寿司屋さんの真似をしながら魚料理をすることはない」と考えて、「嫁そだて味しこみ」の本をBookoffに売ってしまったこと。
何だかな~、弁天山美家古寿司の本当のお寿司を食べたら、断捨離したことを後悔してしまった。
(Amazonで、中古本なら手に入るみたいだが、どうしようかな?)

先程調べたら、明治元年=慶応4年=1868年とのこと。
昨日紹介した初音鮨は、明治5年創業とのことで、1868年に4を足して、1872年創業で、144年目。
そして、今日紹介した弁天山美家古寿司は、慶応2年創業とのことで、1868年から2を引いて1866年創業で、今年は節目の150年目なのだ、すごい!
そうすると、6年しか違わないことが分かった。
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by mw17mw | 2016-01-05 15:25 | 飲食店・菓子店 | Comments(0)