大人の遠足三回目1/3−旧岩崎庭園

この前の木曜日は、6月に行った大人の遠足の続きを、湘南地方在住のお友達と敢行してきた。
6月には、湘南地方在住のTさんの案内で、大磯にある旧岩崎家の別荘に、沢田美喜さんが開いたエリザベス・サンダース・ホームを訪れることがメインだった。
そこを大磯のボランティアの方々の説明つきで案内してもらったら、「そうだ、沢田美喜さんは、我が近所の湯島にある旧岩崎邸で生まれて育ったに違いない」ということに気づき、だったら、その次の大人の遠足は、「沢田美喜さんの生家、旧岩崎庭園を訪ねて」という企画にしましょうということでまとまった。(旧岩崎庭園に関する東京都公園協会のページは、こちら)
しかし、その後、梅雨・猛暑・台風等あったので、寒くなる直前の今週の木曜日になってしまった。

また、私としては、昭和の立派な洋館である旧前田家本邸を見てきたばかりで、明治時代に建てられた旧岩崎邸と比べるのを楽しみにしていた。
(実は、私はすでに1,2度、岩崎邸は見たことがあったのだが、ガイドについて説明を聞きながらの見学は今回が初めて)

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大きな門を入ると、そこは周囲とは別の緑と静寂の世界、なだらかな坂を上がっると突如左側に異国情緒溢れる木造の建物が目に入ってくる。
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(余談だが、私が幼い時、都電に乗って、春日通りを本郷三丁目の方から湯島天神の方に下ってくると、左側の森の向こうに、洋館の上にある緑色の玉ねぎ型というのか、丸い屋根が見えたことを覚えている。それが時代が経ち、湯島にハイタウンというその当時としては高層の壁のようなマンションができたら、見えなくなってしまい、そのことを忘れていた。<もちろん、誰に収益が入ったかは知らないが、岩崎邸の一部が売られて、建てられたもの>そして、旧岩崎庭園が公開された後、坂道を登って行ったら、幼い時に見た緑色の屋根があったのだ、あ、そうか、昔は、岩崎邸が春日通りから見えたのだとわかった。)

まず、旧岩崎邸は、明治時代の木造建築・ジョサイア・コンドルが洋館を設計、大きさはそれ程でもない。
そして、その洋館は、迎賓館のように使われ、岩崎家の人々は、隣接する550坪あった和館で「質実剛健」という岩崎家の家風に沿って暮らしたそうだ。(明治時代の総面積は1万5千坪、今は、色々切り売りされ、5千坪を残すのみ)
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(上の画像は、お庭から見た和館、右は、洋館のベランダ)

旧前田家の洋館は、昭和の初めに建てられ、コンクリづくりで大きく、設計者は日本人、和館・洋館両方あるのだが、もっぱら、洋館の二階で家族が暮らし、和館は、もっぱら接待用だったらしい。(その当時の前田家の人々は、外交官としてロンドンで暮らした洋行帰りだったらしい)

岩崎家・前田家の洋館とも、国の重要文化財とのこと。(もしかしたら、和館も重要文化財かも知れない)

ただ、旧前田家本邸(洋館)で、私が主に見学したのは、たぶん、前田家の方々がプライベートに使っていた2階であり、旧岩崎邸では、洋館は、西洋人を接待する迎賓館だから、その分、豪華さが違うのだと思う。

旧岩崎邸は、その当時の先進国の欧米人を招くためと、とにかくリッチで豪華できめ細かく繊細に作られた。
一言で言えば、絢爛豪華でありながら、品がある。
(今の時代、岩崎邸は、ラブホ街の横にあり、不思議な感じだが、なぜ、湯島にあるかというと、明治時代、不忍池には、競馬場があり、外国人が集まる社交場にだったとのこと。だから、三菱の総帥として、その外国人を接待するのに、湯島の場所が都合が良かったらしい)

(旧岩崎庭園が一般に公開されたのは、2001年からとのことで、まだ、そんなに日にちは経っていない。)
私は今までガイドにつかないで勝手に見学したことが2度あったけれど、やはり、ガイドさんに案内してもらった方が、色々詳しくわかってお勧め。(毎日、午前11時と午後2時から、数人に一人ついてくれるみたい)

ということや、ジョサイア・コンドルは、「日本と西洋を融合させる橋渡しにはイスラムが必要」と随所にイスラムのモスクの様式を一部取り入れていたということ、(後で簡単に説明するが)金唐革紙のことなど、色々説明してくださり、ボランティアガイドさんについて見学できて良かった。

見学時、建物を外から撮影することは許されたが、邸内は撮影禁止。
でも、Googleで検索したら、内部をきれいに撮った画像がたくさん出てきた。
旧岩崎邸の画像検索結果
(この画像検索結果をクリックしていただくと、ある程度、その豪華さがわかると思う)

先日、駒場の前田家を見学に行った時、洋館の壁紙を見ながら、その質素さに驚き、確か、岩崎邸の壁紙は、刺繍されたところが浮き上がる布地だったのではと思っていたが、そうではなく、和紙でできた特注の浮き彫りの柄に金が施された壁紙であった。
(岩崎邸も、廊下の壁紙は普通の壁紙。客室等の壁紙のみ浮彫模様)
(ただ、前田家の壁紙は、昭和の初めのものとは限らないのだが)

岩崎邸の壁紙は、「金唐革紙(きんからかわし)」と言って、明治時代、洋館を建てる場合、西洋から壁紙というか、革をなめしてそこに模様をプレスしたもの(金唐革)を輸入していたらしいのだが、それがあまりに高価とのことで、日本で革の代わりに和紙を使い、同じような模様が浮き彫りになる壁紙を開発したとのこと。
その浮彫になったところに、金粉を塗っているのだから、本当にきれい。
(ただ、岩崎邸の壁紙も明治のものではなく、最近、金唐革紙を復元された方がいて、その人の作のものとのこと)

その他、この岩崎邸を建てた沢田美喜さんのお父さんである岩崎久弥さんについての紹介もふんだんにあり、この方は、三菱創業者の岩崎弥太郎さんの長男で、三菱財閥三代目の社長。
お父さんが下級武士以下の家柄から、明治維新の激動の時代、身体を張った活躍で、上に駆け上がる活躍をしたわけだけれど、息子さんは、慶應義塾で教育を受けた後、アメリカに留学なぞして、帝王学と言おうか、紳士としての教育を受けた人のようだ。(友人と二人の顔つきが全然違うねと話していた。久弥さんは、平和な時代のお金持ちのお坊ちゃま風)
その岩崎久弥さんも、岩崎家が明治になってから放置されていた膨大な広さの清澄庭園と六義園を買い、整備した上で、を東京市に、個人で持つより東京市民が楽しむべきと、寄贈したとのこと。
また、戦争中は、広い岩崎家の庭を近所の焼け出された人に提供し、炊き出しを行っていたとのこと。

そう、だから、大磯のエリザベス・サンダース・ホームで、沢田美喜さんの偉業を聞いた時、「キリスト教徒だったし、西洋での暮らしが長かったから」そのようなことができたのかという印象を持ったが、実は、そのお父さんも、自分の利益ばかりを追及する人ではなく、広く一般に役に立つことを心がけて実行する人であり、沢田美喜さんも、海外経験や宗教の影響ばかりではなく、そもそもの実家の家風がそういうものだったから、あのような偉業ができたのだと理解できた。

それにしても、都立の庭園は、9つあり、2つが恩賜庭園(天皇から賜った)、二つが岩崎久弥さん寄贈の庭園、二つは、岩崎家からの寄贈ではないけれど、元岩崎家のもの...と並べると、やはり、東京における岩崎家から受ける恩恵はものすごい。

ここの洋館は、何度行っても新しい発見があり、きれいで素敵。
できれば、一度はガイドさんに案内してもらった方が楽しい。

通常、開園日の11時と14時から、ボランティアガイドがあるとのこと。

その他、毎月第一木曜日には、人数限定で、いつもは立ち入ることができない撞球室とそこに行くためのトンネルを歩ける案内があるとのこと。詳しい内容は下記の通り。

撞球室特別ガイドの内容

(1)日  時  平成26年6月5日(木)から毎月第1木曜日
         各日10時30分~11時30分
(2)集合場所  洋館正面玄関前
         ※雨天時は洋館玄関ホール
(3)内  容  洋館・和館を巡る通常のガイドツアーに加え、ガイドボランティアの案内で非公開の地下通路および撞球室を見学し、建物の構造や往時の暮らしぶりなどを体感することができます。
(4)定  員  各日先着20名
(5)参加費  無料 ※入園料別途
(6)参加方法  当日9時から入園券売場で参加証をお渡しします。

一度、入園券売り場の人に聞いたら、このガイドツアーは人気があって、開門の9時前から、門の前に参加希望者が並んでいると言われたこと、木曜日であることで、諦めてしまった。
平日、お時間がある人にお勧め
(そうそう、今回、ガイドの方たちに再度聞いたら、雨の日とか、寒い日ならば、参加者が少なく、開門前から並ばなくても大丈夫な状態であったという、しかし、こればかりはわからない。でも、冬が狙い目かも)

また、今、旧岩崎庭園のお知らせをチェックしていたら、他にも

  庭園ガイドボランティアスペシャル講演会
  「岩崎四代~日本の近代化を背負った男たち~」

(1) 日時  平成26年11月15日(土)
   15時~16時30分

(2) 場  所  洋館1階

(3) 内  容  三菱創業者・岩崎彌太郎、二代社長・彌之助(彌太郎の弟)、三代社長・久彌(彌太郎の長男)、四代社長・小彌太(彌之助の長男)の生涯と日本の近代化に果たした業績を紐解きます。

(4) 講  師  ガイドボランティア「茅町コンドル会」会員

(5) 参加費  無料(入園料別途)

(6) 定員  80名

(7) 参加方法  当日自由参加・先着順     

というのもあった、これ、忘れなかったら、行こうと思う。
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by mw17mw | 2014-10-27 07:23 | 東京都内のお散歩・見物 | Comments(0)