うちのコーちゃんの顔つきが変わってきて、とても可愛く柔らかくなり、ごく普通の家猫風の表情になるときが出てきた。(でも、原則まだまだ私に心を許しておらず、フーシャーすることも多い)
ググタスの猫の集会で下記画像を披露したら、「表情から警戒心が消えている」と評価された。
ケージから出されて2か月弱、ようやく、新しい環境の中でも、自分なりに自分を守れると思える「ベッド下という巣」を確保できたし、平井で野良していた頃と似たような自分のペースで暮らすことができるようになって、しかも、そこでは、餌に不自由することもなく、自分を脅かす外敵もいないし、おもちゃと毛布をもらえる快適な世界だとわかってきたのではと思うのだ。
「私の猫」にはなり切っていないけれど、「この場所が自分の快適な場所で、安心感を持って暮らせる棲家」と実感するようになったのかも知れない。
(上の画像は、もらった毛布4枚に体のどこかを触れさせながら、後ろにおもちゃを並べ、自分の私物が取られないように、見張りのお仕事を頑張っているコーちゃん。
コーちゃん、今まで5年も「家なしで私物を持てない野良」をしていたせいか、物欲と警戒心は人一倍(否、猫一倍)強い)
でも、この数日、急にこんな優しい表情になった他、実は私に自分のおもちゃをプレゼントしてくれそうになったのだ。
しかし、そこは気まぐれな猫、気まぐれからそんな行為をしたのかも知れず、とても良い子になったとは断定できない。
実は、日曜日の朝、コーちゃんのいるベッド下を覗いたら、いつもより手前の私との間20㎝くらいのところにコーちゃんが座り、私との間に、黄色い猫のぬいぐるみを運んで来て、置いてあったのだ。
それは、一番最近、彼女のために買ってきてあげたもの、何で、私との間にそのぬいぐるみを置いたのか良くわからなかったので、私はぬいぐるみを無視して、コーちゃんに他のことで話しかけたりしたが、コーちゃんは、その間、ぬいぐるみに手をかけることもなく、ただじっと大人しくしていた。
そして、その次にベッド下を覗いたときには、コーちゃんの座っている位置はそれほど変わらずだったが、そのぬいぐるみは、ベッド下奥の、彼女の宝物置き場の方に移動させられていた。
その時は、その行為が何だったかわからなかったのだけれど、雨が上がった夕方、自転車で買い物に行ったときに、ふと頭の中に、「コーちゃんがぬいぐるみを私の前に置いたのは、『どうも有難う、もし欲しければ、このぬいぐるみをあげます』という意味だったのではと心に浮かんだ。
そのぬいぐるみは、一週間程前、どこかの文房具屋さんの決算セールで、80%オフで売られていた80円の小型の猫型ぬいぐるみで、お腹が割れていてそこに匂い袋が入っていた。
人間用の匂い袋を抜いて、ベッド下に置いてあげたのだが、コーちゃんは全く興味を示さなかった。
その後、猫仲間さんから、キャットニップをいただいたので、キャットニップをお茶葉用の不織布の袋に入れてから、ぬいぐるみのお腹に入れて、ベッド下に置き直したら、次の日の朝、そのぬいぐるみが、コーちゃんによって、ベッドの奥の彼女の宝物置き場まで引っ張って持って行かれたことがわかった。
私がその時、「あ、コーちゃん、キャットニップの匂いが好きなのだ」と、猫型ぬいぐるみを興味を持って熱心に見ていたことをコーちゃんは覚えていて、彼女からすると、私は彼女の宝物を狙っている人だから、「あのおばさんは、猫型ぬいぐるみが欲しいに違いない」と思ったのかも知れない。(というのは、その後、ベッド下を覗いたとき、コーちゃんは、そのぬいぐるみを自分の前に置き、前足をかけてじっとしていた。どうも、私に対して、そのぬいぐるみに対する自分の所有権を主張していたみたい。)
で、どうして、そんな自分の宝物を私に差し出す気になったかを考えてみた。
実は、コーちゃんは、私が買い与えた市販の爪とぎでのみ爪を研ぎ、私の家具や壁・柱を傷つけない良い猫だと思っていたのだが、数日前、猫が出入りしている納戸をよくよく点検したら、一本の柱の角に猫の爪痕がたくさんついているのを発見。
ただ、その柱は、厚くペンキが塗られていたので、猫の爪でペンキが剥げた感じであり、木そのものに傷がついた感じではないので、少しは救われた。
そして、これ以上猫に爪を研がれないように、その柱に、猫の爪から、壁紙や木材を保護する透明なフィルムをもらっていたので、それを貼りつけてしまった。
実はコーちゃんは未だに、ベッド下から殆ど出て来ないし、私に、自分が歩く姿さえ見せないように暮らしている。
爪とぎをするのも、真夜中、私が完全に寝静まった時だけ。
だから、彼女がどこで爪とぎをしているか、正確にはわかっていないのだ。(爪とぎする音だけは聞いている)
でも、あれだけ柱のペンキが剥がれているのだから、縦型の爪とぎも大好きなはずなのに、いつもの柱はもう爪がとげないようにされてしまったし、もう一つ、買ってもらった爪とぎがあるのだけれど、それは気に入っていないみたいだから、縦型の爪とぎがなくて、困っていたのかも知れない。(右上画像の左側が高さ50㎝くらいの垂直型爪とぎ、右側の透明なフィルムを巻いてあるのが、猫が爪を研いでしまった柱)
そういう状態の時、多慶屋で、縦型の新たな高さ70㎝の爪とぎを私が買ってきて、納戸にセットして上げたのだ。
(右画像左側が新しい縦型爪とぎ(評価はまたそのうち)、右は水平型爪とぎを二枚重ねしているもの、コーちゃんはこの爪とぎが一番好きなよう)
それが気に入ったのか、買ってもらったのが嬉しかったのか、次の日、私が気に入っていると彼女が思っている自分のおもちゃを差し出してくれたのだと思うと、合点が行く。
猫って、嬉しくて笑うということができないし、言葉がしゃべれないから、何を考えているかわからない。
でも、色々なおもちゃや毛布をあげると、それをコレクションしていたり、表情も変えずに、恩返しにおもちゃを差し出したりして、結構面白い。
コーちゃんは、野良の時代が長く、私物を持つ生活ができなかったせいか、今、私からもらった毛布やおもちゃをコレクションして、誰にも取られないようにすることが一番の関心事で、「物欲のコーちゃん」と呼びたくなるほど。
でも、今回、私の考え過ぎかも知れないけれど、お礼に誰かにものを上げることも考えられる猫なのだとわかった気がする。