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天性の「美味しい!状態に執着心」がある東京下町に棲息するおばさんのお料理・お菓子・道具・食材の他、散歩の記録を綴った日記です。by真凛馬


by mw17mw

東京カテドラル関口教会の「クリスマス音楽の集い」

2週間くらい前に、「そういえば、クリスマスに、関口教会聖マリア大聖堂の中に入るチャンスはあるかな?」と思って、関口教会のページを見たら、、「クリスマス音楽の集い」のお知らせが載っているのを発見。

クリスマスミサではなく、こういう音楽の集いへ参加した方が、信者の方の祈りを邪魔をしないと思い、開催日も土曜日で私の都合に合っていたので、これに行くことに決めた。
(しかし、教会のページには、クリスマスミサはどなたでも参加できますと書いてある。だからミサに参加でも良いのかも知れないが、今回教会内部で他の人の会話が自然と耳に入ってきたが、この教会のクリスマスミサは本当に人気があって、大変混むのだそうだ。)
例のごとく、誰かを誘うこともチラっと頭に浮かんだが、「行って楽しいかどうかわからないもの」に誰かを誘うのは苦手なので、やめておいた。(同じ理由で、ブログでも話題にしなかった。)

で、その前に色々なところを見学してきて話題は他にもあるのだが、それは置いておいて、まず、教会と音楽の集いについて、ご紹介。

この「クリスマス音楽の集い」は、歴史が浅く、まだ三回目の催し物なのだそうだ。
最初は、2組くらいの参加だったけれど、今回は、関口教会の聖歌隊を除いて5組が参加されて、年々大きくなっているそうだ。

2時半開場3時開演とのことで、2時半ちょっと前に行ったら、100人くらいは並んでいたかな?
でも、聖マリア大聖堂は2千人収容だから、楽勝。
3時の開園時まで入れば、みな座れたと思う。
その後、後ろを見ると立ち見の人の多かったが、たぶん、子供が舞台に上がっている父兄とかそんな感じの人たちではないかと思った。
(しかし、この催し物はまだ3回目とのことで、知られていないから、まだ参加者が少ないのだと思う。これが徐々に有名になったら、信者でない人が大聖堂内部に入れる数少ない機会でもあるので、もっと早くから並ばないと入れなくなる可能性はあると思う)

無料なのに、立派なパンフレットもいただき、恐縮。
(最後、東日本大震災への募金箱はあったけれど、この会自体への募金はなし)

「きよしこの夜」合唱と山本司祭さんの「キリストは私たちと友達になってくれました。ですので、今日は、お友達のお誕生日を皆でお祝いしましょう」という言葉で会は始まった。

出演者は、関口台町小学校高学年有志・獨協中学高等学校吹奏楽部・青田絹江さんというこの教会専属のパイプオルガニスト・川村学園中学校・高等学校コーラス部・音羽の森オーケストラ「ポコアポコ」で2時間の音楽会だった。

(音羽の森オーケストラさんは、関口台町小学校のOBやPTAからなるオーケストラで、総勢80人以上、小学校低学年から中高年まで全員が舞台に上がり、バイオリニストの数が圧倒的なオーケストラであったが、みな、思い思いにおしゃれをして、堂々と演奏して素敵であった。)

音楽会は2時間飽きることなく大変楽しかった。(残念ながら、演奏中は写真を撮ることを禁止されていたので、画像はないので、先ほど紹介したページの曲目で想像してください)

皆、この日のために練習を重ねて来たのであろうし、舞台で緊張しながらも、立派に大勢の前で演奏や合唱ができ、拍手喝さいを浴びて、嬉しそうであった。
指揮者を除いて、プロは、青田絹江さんというパイプオルガニストの型だけ、この方は、4曲演奏されたのだけれど、それぞれ違った曲調の曲を演奏してくれたので、「へ~、パイプオルガンって、多彩な音を出すことができて、パイプオルガンを使った曲は一様ではないのだ」ということが良く分かった。

アマチュアはアマチュアで一生懸命の良さや色々な工夫があったし、プロはプロで「さすが!」という演奏で楽しかった。

また、この聖マリア大聖堂の音響は良いとのこと、たぶん、良いのだろうと思うけれど、私は最近全然音楽会で生の音を聴くことがないので良くわからない。
(ただ、オーケストラの音なぞ、盛り上がると、映画館で見るディズニー映画のBGMのような感じがしたから、やはり良いのではと思う。)

さて、建物の話をすると、まず、外観は、下の画像の通り。(絵葉書のよう)
この丹下健三さんの最高傑作の一つである大聖堂は、「全世界における二十世紀の教会建築の最高峰」とも言われている。
東京カテドラル関口教会の「クリスマス音楽の集い」_d0063149_23351031.jpg

そして、聖マリア大聖堂なのだが、テレビで丹下さんのお弟子さんたちが、「外側は、モダンで、天を目指す天上志向、中に入ると包容力があって包まれたという感じ」と解説していたが、本当に、中に入って座っていると、本当に、古代から慣れている温かい自然に包まれているような感じがした。
東京カテドラル関口教会の「クリスマス音楽の集い」_d0063149_23363455.jpg
この大聖堂は、入り口を入るとすぐに、テレビで見た素敵な大きな祈りの場になる。(それはすごくあっさりしていて、仰々しくない)
本当に広いのだが、テレビで見たのとはやはり印象がちょっと違った。
というのは、テレビでは、誰もいない大聖堂の中を客観的に撮影することができるけれど、今回のように一参加者として大聖堂に入ると、自分に与えられた席からしか全体が見えないのだ、すなわち、与えられた一点での主観的観察になってしまう。
だから、私の場合、真ん中の10列目の席に座ったのだが、そこから見える大聖堂の内部しかわからなかった。(ということを、家に戻ってから、録画してあった「美の巨人たち」を見て、感じた)
でも、この聖マリア大聖堂は、芸術品でもあるが、そもそもは、祈りの場であるから、私の観察の仕方で十分だと思う。(というか、それが正しい?)

何ていうのだろう、この大聖堂は、簡単に言うと、この大聖堂の凄さは、空間が真四角な立方体ではなく、簡単にいうと、高さ40m上の一点から、末広がりの空間であることだと思う。
その一番下に座っていると、まるで、大空に広がる曇り空の雲が切れた部分から漏れ出る太陽光、すなわち天からの光が広がって、地上を照らしている中にいるように感じられるのだ。
(良く宗教画に描かれている風景でもあると思うし、私が読んだ小説でも、「イエルサレムの朝が明ける風景」をこのように描いていた)

あくまでも、天から降り注ぐ空気や光を感じるのだけれど、本物の空とは違うのは、祭壇の後ろにある天へ伸びているように見える細長い薄くて白いアラバスターの存在。
まるで、それが天への梯子にも見えて、このまま登って行ったら、神様に会えそうな、きっとこの上には神様がいらっしゃるのだろうという気にさせてくれた。(そして、後から写真で見ると、アラバスターは天の一点めがけて傾いているが、教会内部でアラバスターに対して真正面に向かって座ると、アラバスターが天に向かって、まっすぐ伸びているように見える)

そして、また、この大聖堂は、壁がコンクリートの打ちっぱなしなのだが、それが人工的なものなのに、慣れてくると岩肌に見えてきた。
何ていうのだろう、まるで、広い天然の洞窟の中に作った教会にいるみたいな雰囲気だと思った。
古代、大きな建物を建てる力がなかった時代、きっとこういう自然界の中の洞窟で、キリスト教の普及は行われたのかなと思えた。
そして、広い洞窟で、漏れ入る薄明りの中にいると、心がとても落ち着いて、気持ちが良かった。

だから、この大聖堂は、外は本当にモダンでステンレスで無機質で、今までの古いセンスの教会建築に挑戦している感じがするのに、中に入ると、天からの柔らかい光に包まれたり、天然の大きな洞窟という自然を模した空間の中にいて、ほっとしている自分を感じるような気にさせてくれる。
そう、その自然で温かい環境でに包まれて、信者の方々は安心して祈ることができるのだろう。

テレビで見る限り、この大聖堂は威圧感がありそうと思っていたが、大聖堂内部に入ってみたら、意外や意外、正反対に、とても温かい印象の懐かしささえ感じる施設であった、さすが、丹下健三さん。
丹下健三さんご本人がカトリック教徒ということで、どういう環境で祈りたいのか、良くわかっていたのかも知れない。
by mw17mw | 2013-12-22 08:03 | 東京都内のお散歩・見物 | Comments(0)