中国茶交流会@浜松町
2012年 10月 23日
昨年6月に中央区立産業会館で開催された中国茶交流会に続いて、2回目なのだが、その間、一時安物のプーアール茶を飲んだ時期はあったが、それ以外は中国茶と無縁の生活をしていた私。
本来なら、こういう会に来て、ゆっくり、色々なお茶を味わったりするのが良いのだとは思う。
(私の場合、今回、桃猫さんのワンコイン茶席に出ることだけがこのお茶会の目的であった。)
桃猫さんの茶席を予約した後で、物販のお店を覗いたりしていたが、何だか、猫に小判、豚に真珠の世界であった。(買ったものは、中国菓子とシフォンケーキのみ)
物販のお店でも、テーブルがあり、そこで色々なお茶が飲めるようであったが、結局この日は自分の心に余裕がなく、何も飲まなかった。
中国茶独特の、お茶が出る部分が細長いポットでお茶を入れている人を見たら、映画のレッドクリフを思い出した。
その映画に出て来る絶世の美女がお茶の名人で、お茶に関する場面がいくつかあった。
レッドクリフの中国茶の描き方としては、主人がお茶を入れて、客が飲むわけだが、その行為だけで、両者の人間性や品性が浮き彫りにされてしまうという描き方だったと記憶している。
(それを思い出してしまい、わ、全く素養のかけらもない私、人前で中国茶を飲んで大丈夫かしら?とちらっと思ってしまった。)
そして、桃猫さんの茶席が始まる。
雲南省というのは、お茶の産地として有名で、大量の茶葉が作られ、輸出されている。
その殆どが、茶葉を刈りいれた後、機械で乾燥させた後、プレス機で圧縮して生産されているとのこと。
しかし、そういう時代であっても、今でも、天日で乾燥させ、石を乗せることでプレスしている昔ながらの工場も少数ながら存在しているとのこと。
そういうハンドメイドのプーアール茶の、昨年のものとその12年前のお茶の飲み比べであった。乾燥機とプレス機で生産されたお茶は、長い間寝かせておいても、味が変化しないそうなのだ。
(勿論、機械で生産されたお茶と、ハンドメイドのお茶では味が違う)
その話を聞いて、中国茶には疎いけれど、最近、えのきたけを干している私としては、とても納得してしまった。
フライパンで煎ったえのきは不味いけれど、天日やじんわりした低温で乾燥させるえのきは、嫌みがなくて美味しいもの。
商売的に収益を考えたら、生産期間を短縮した方が良いのだろうが、実は、それは味の敵なのかも知れない。
そのようなお話を伺いながら、えのきたけに思いをはせながら、二つのお茶を飲み比べてみた。昨年のお茶は、味に統一感がなくて、苦み、ひなたっぽい味がそれぞれ存在しているという感じ。
それより12年前のお茶は、ひなたっぽい味が消え、若干甘味が加わって、まろやかな味であった。(ベースに苦味は感じるが)
最後、お茶席が終わった時に、桃猫さんに「前回と比べて今回のお茶はどうでした?」と聞かれ、全く、前回のお茶がどういうものだったか、思い出せなかった。
(けれど、少し経ってから、そうだ、前回のお茶は、湿気の多い森林の中にいる気分が味わえるお茶であったことを思い出した。)
ここにも、2時間もいなかったのだが、会場の雰囲気等から、中国茶の世界は、お茶の味だけではなく、中国茶に携わる人たちの「悠々とそして坦々としている雰囲気」が魅力かもしないと思った。
ま~、私もこういう会に参加する時、自分の精神状態を「悠々・坦々」に持って行きたいと思った。
今回は、お茶会の前に、食肉市場まつりで、お茶会の後にも2つも予定を作ってしまったので、余り良い参加の仕方ではなかった。