谷中の新しい天然かき氷のお店-「ひみつ堂」 2/2
2011年 05月 30日
当然、私は追随しなかった、というより、「追随できなかった」。(笑)
このお店は、入り口で注文してお金を先に払うシステムであり、ケイトさんはそちらに行き、二杯目を相談した結果、定番メニューの煮りんごは切れているけれど、生のりんごがあるので、生のりんごのかき氷を作りますうということで、相談がまとまったみたい。
で、出て来たのが、下の写真。
苺とか抹茶は、既に有名なかき氷屋さんで食べて感激した経験があるし、それらとどうしても比べながら冷静に食べてしまうのだけれど、生りんごのかき氷は初めてで、食べた瞬間、「これ、美味しい~」という言葉が自然に出てしまった上、ケイトさんの氷に反対側からスプーンを入れてお裾分けしてもらっているのに、止まらなくなって、3回くらい、スプーンを突っ込んで、食べてしまった。(笑)
そうしたら、私の反応に気付いたのか、ご主人が、ケイトさんの氷を形作る時に、余分だった分だろうか、小さな器に、生リンゴの氷を入れたものを持って来てサービスしてくださった。
何でも、生リンゴのすりおろしにりんご酢少々と蜜を加えて作ったとか。
何と言うか、生リンゴの肌理が本当に細かくてクリーム状、そこから、生リンゴの香りと味が発散され、とても美味しかった。りんご酢も爽やかさをプラスして、とても良い働きをしていた。
氷に、果物を使う場合、「煮て、ジャムより薄いソース状(シロップ状)にして」使う場合が多いが、本当は、良く熟した果物を生で使うのが一番美味しいのかも。
ただ、保存性と扱いやすさ、甘さの調整などを考慮すると、どうしても、煮た果物になってしまうのかな?
この生リンゴのかき氷は、今のところ、メニューにないけれど、生リンゴがあれば、作れますとのこと。
また、このお店の氷、食べている途中で、奥様と思しき方からストローが渡された。
食べている間に氷が溶けてしまうのだが、それをストローで飲むようにとの配慮。
この溶けたお水も勿論美味しい。
今まで行ったお店にはこういうサービスはなかったし、それほど、溶けるのが早いとも思わなかったけれど、このお店は、手動のかき氷機を使っているから、そもそも、削りやすいように、氷の温度が、電動のかき氷機を使う場合より、高めなのかなと想像した。(本当のところはわからない)
で、私たちがこのお店に着いたのは、雨の日曜日の開店時間の11時前頃。
雨がそぼ降る、気温の低い日にかき氷を食べて寒くないのかというと、全然問題がなかった。
何でも、それが「天然かき氷のすごさ」なのだそうだ。
天気が悪いせいか、お客さんは、私たち以外に1人だけと淋しい状態だったが、そういう日だったから、ご主人と色々お話ができ、考え方等聞けたことが良かった。
(これが、天気の良い晴れた日だったら、手動のかき氷機を使っていて、かき手はご主人一人のお店だから、ゆっくりお話を伺うことも無理だったような気がする。)
ご主人は、このお店を始める前10年間、市川猿之助さんのお弟子さんとして、舞台に関わって来た方のようだ。(舞台に上がられていたのかとか、詳しいことは聞けなかった。)
その間、副業で、かき氷の仕事を始められ、それも長くなってきて、この度、「舞台を取るか、かき氷を取るか」ということになり、かき氷を選んだとのこと。
で、お話していると、「舞台が好き・舞台の仕事をしていた」というだけあって、調理一筋の人だと、お客と話すのが苦手というタイプの方も沢山いるのだが、この方の場合、接客というか、ファンとお話しするのが全く苦ではなく、楽しい様子。(舞台人としての「当然の活動範囲」の中に、「観客とのコミュニケーション」が含まれていたのだろう)
何て言うのだろう、さすが元舞台人、観客とのコミュニケーションの大切さがわかっているし、それを楽しめる性格は得だと思う。
また、「元舞台人」だから、と思うのだが、「芝居や舞台を自力で一から作り上げて、最後観客に喜んでもらう楽しさ」を知ってらっしゃる方のようで、このご主人にとっては、このお店が芝居小屋であり、彼がプロデューサー兼ディレクターであり、小道具が果物や抹茶、演ずるのが日光天然氷、という感じかな?
この芝居小屋的かき氷店で、季節季節に演目を変えて、旬の果物たちに良い仕事をさせ、お客様に、「わ~、美味しい!」という新鮮な驚きと喜びを与えたいのだなと思った。
ご主人にとって、舞台を作るも、かき氷店を作るも同じことかも知れない。(以下、家に着いてから、そう思えた。)
謂わば、このお店は、他にはない「劇場型かき氷屋」さん?
何だか、そのご主人の性格と経歴、天然かき氷、色々な果物を使ったシロップの今後の展開とか、色々なことが相俟って、本当に今後が楽しみなお店。
とりあえず、こんな近隣の谷中に、「手頃な価格の希少な天然かき氷のお店」ができただけでも嬉しいのに、実際に行ってみたら、もっと色々な楽しさを提供してくれそうなお店だとわかり、良かった。
また、谷中って、私が知らないだけかも知れないけれど、究極美味しいお店がないと思っていたので、こういう凝り性のお店ができて、嬉しい。
かき氷というと、どうしても、市販の苺やメロンのシロップをかけたものを連想するけれど、こういう天然氷を使い、生の果物から作ったシロップをかけたかき氷は、通常のものとは別物でごちそう。
せっかく、都内にこういうお店ができたのだから、是非、だまされたと思って、一度はお試しください、はまりますから。
場所は、夕焼けだんだんを降りて、後藤の飴の前の路地を入ってちょっと行った右側です。
同じ日のケイトさんのレポートはこちら。
いちごミルクはトロリと濃い目の氷蜜で,氷と合わさるとちょっとシャーベッットのような滑らかさ甘さでした。気さくなご主人とも常磐沿線つながりでいろいろお話できました。
藤沢は遠いですが,日暮里柏と天然氷のお店が近くにあってラッキーかなと思っております。
動きが早いですね~。
確かに「柏界隈に住み、都心に仕事場があり、交通費会社持ち」の方が、今、一番、天然かき氷店に恵まれているのでしょうね。
三日月さんも、良いお店ですよね、大好きです。