根岸の「デン」 グラパン

根岸で育った方に「珈琲の店 デン」を教えていただいた。(食べログは、こちら
何でも、「グラパン」というパンが名物だとのこと。
で、そこのご店主が病気で入院されている間、息子さんがピンチヒッターでお店を切り盛りしたのだが、どうしても、グラパンがお父さんの味にならなかったそうだ。
しかし、今では、お父さんは無事退院されて、お嫁さんと二人でお店に出るようになって、グラパンも昔通りの味になったお店とか。

で、行ってみた。
場所は、言問通りをずずっと鴬谷駅の方に進んで、「鴬谷駅下」という信号を右に入ると、「上野萬屋」という大きな酒屋さんが左手にあるのだけれど、その通りをちょっと進んだ左側。
(この通りは、突き当たりに、昔ながらの手焼きせんべいやさんが見えて、周囲に高い建物が見えなくて、とても昔風で良い通り)

d0063149_1920136.jpgこのお店の存在を知らなかったのは私だけで、結構色々マスコミに取り上げられているお店のようで、お店の前には、そういう記事が沢山貼ってあった。

お店の感想を一口で言えば、「昭和の喫茶店が、『繁盛したまま』残っていた~」という感じ。



d0063149_1921056.jpgお店の真ん中が喫茶店の入り口で、右側が、コーヒーとソフトクリームの、今の言葉で言えば、テイクアウトコーナーになっている。
お店の前に飾られたソフトクリームのサンプルも昭和の香り。

お店の中に入ると、全体茶色いイメージで、厨房の道具もちょっとはみ出て雑然としているところも、昭和の香り。
3~5人用のテーブルが5つと、カウンター2席のこじんまりしたお店。
また、テーブルに案内してくれた方がマスターだと思うのだが、真面目そうなごく普通の昭和の香りのする方であった。

土曜日の一時過ぎに行ったのだが、お店はほぼ満席。

これがメニュー。
d0063149_19184387.jpg


初めてなので、有名な「海老のクラパンセット」にしてみた。(何だか周囲も皆グラパンを食べている様子)
注文して出てくるまで20分はかかるとのこと。

本を持って行かなかったので、出来上がるまでメニューを一生懸命見たりしていた。
このメニューで一番気になるのは、「グラタンハムエッグスパゲティーセット」
何だか、すごく美味しそう、この3つ重ねたら、絶対美味しいよねと思う、ありそうで見たことがなかったメニュー。

お水を持ってきたマスターに聞いたら、「スパゲティーの上にハムエッグを乗せて、ホワイトソースをかけたもの」とのこと。
「焼いてないのですか?」と聞くと、「焼いてあります」とのこと。
どんなものだろう、今度来た時はこれだなと思った。

少しして、私の前のテーブルに、何だか、大きなお皿に、「星の王子様が描いたウワバミの絵」を連想させるような形の料理が運ばれてきた。
「もしかして、あれが、グラタンハムエッグスパゲティーかしら?」とピンと来た。
白いグラタンが帽子のように全てを隠していて、表面の所々に焼き目がついている料理であった。

他の席の見知らぬ人が取った料理だから、写真が撮れなくて残念。
少ししてから見ると、それを取った人は、白いスパゲティーを食べていたから、正解のようだ。
(後は、ハムエッグが半熟状で出てくるのか、茹で玉子状で出てくるのかが問題だが、それは見えなかった)
とにかく大きさが半端ではない印象があり、一人で食べるのは無理かな?

d0063149_1919138.jpgそのうち、私のグラパンも登場。
何でも、お店でグラタンを出そうとした時、グラタン用の容器がなかったので、パンに入れたところ、評判を呼んだというお料理で、このお店にしかないものみたい。

4枚切りのパン3個を重ねたくらいの厚さ(多分高さ7cm程度?)の食パンの真ん中をくりぬいたところに、ホワイトソースが入っていて、チーズをかけて焼いてある。
料理の両側には、真ん中をくり抜いて出たパンの白いところが焼かれて置いてある。

まずは、ホワイトソースを食べてみる。
(塩気が弱いので、テーブルにあった塩をかけてみた。テーブルの塩は二種類あって、普通のお塩以外、何だか、パプリカとか唐辛子系のものと一緒になった塩があった。)
次に、元真ん中であったパンをちぎって、ホワイトソースに浸して食べた。
ホワイトソースの具は、海老と玉ねぎとマッシュルーム。
全てが熱々で、美味しい。

もっと良い材料を使えばもっと美味しいだろうけれど、チーズは、所謂粉チーズだし、牛乳もバターもそこそこのものだと思う、でも、手づくりのホワイトソースなので、嫌味がなく、中の上。(何が言いたいかと言えば、決して不味くはない、もっと材料のグレードを上げたら、もっと美味しくなるな~と思いながら食べたということ)
こう書くとケチつけているみたいだが、美味しいことは美味しい。
パンもふわふわでいつまでも熱いし、昔懐かしい味であった。

くり抜かれてトーストしたパンを食べ終わる頃には、ホワイトソースの水位が低くなっているので、上からホワイトソースがこぼれないように、パンを平行の方向にちぎった。
ただ、ものすごい量なので、私は、一番下のパンまで食べ切れなかった。
そして、最初は美味しいと思ったけれど、最後はちょっと飽きて、当分要らないと思ってしまった。
(これで、下にトマトソースでも仕込んであれば、飽きないかも知れない。)

二人で一つでも良いと思うのだが、ただ、二人で一つにした場合、半分に切ってもらうわけにもいかないし、どうやって食べるのか思い付かなかった。

お店は混んでいて、ひっきりなしに新しいお客さんが入って来ていた。
周囲のお客さんを見ると、近所の人2に、雑誌を見てやって来た感じの人(含む私)が1くらいの感じ。
家族総出で、ここでお昼を食べる親子もいたが、そんな感じがぴったりの美味しい料理のある下町の喫茶店という感じ。

マスターも厨房の中のお嫁さんも、本当に忙しそうに働いていた。
何だか、お店の雰囲気も昔のもので、「わ~、こういうお店が未だに残っていて、生きているのだ」ということが嬉しいし、お店の人も、本当に「昭和の頃のどこにでもあった喫茶店の人」を感じさせるもので、好感を感じた。

でも、こういうお店はどうなのだろう?
今や、価値観が多様化していて、「何を良し」とするかは人様々。
「下町」「昭和」が許容範囲な人間にはとても素晴らしく感じられるお店だと思うが、「ブランド」「最先端」「スタイリッシュな生活」に憧れる(というか、それにしか関心のない)女の子を案内してくると、余り喜ばれないかも。(今回、隣に座っていたカップルの会話が聞こえて来て、そう思った。)

ということで、スタイリッシュ志向しか頭にないお嬢ちゃん・奥様方には向かないけれど、アイディアも良いし、お店の人たちも頑張っているし、ずっと続いて欲しいので応援したいお店。

他にも、カレーやコーヒーフロートが美味しいらしい、また、行ってみたい。
[PR]

by mw17mw | 2010-05-30 19:27 | 飲食店・菓子店 | Comments(0)